静態論及びそれに関係する様々な会計思考としての静的会計の全容をもう一度見直し整理するとともに、且つ現代の企業経営や会計における諸問題はもちろん、特にドイツの商法及び倒産法における諸問題との関連で、この静的会計について論究することは大きな意義があると解される。
本書は大きくⅠからⅤまでの5つのセクションからなる。Ⅰは静的会計の総論を扱った部分である。ⅡからⅣまでは、企業経営上及び会計上の諸問題と静的会計との関連性のなかで、特に最近において議論の対象となる3つの個別論点について検討したものであり、Ⅱは近年アングロサクソンの会計で強調されている資産負債アプローチと静的会計との関係を論じたもの、Ⅲはコーポレート・ガバナンスと静的会計の関係について論じたもの、Ⅳは決算制度とは異なる特殊会計制度と静的会計との関係について論じたものである。Ⅴは本書の結びとして静的会計の総括と展望について論じたものである。