日本会計研究学会が1998年9月に開催された第57回全国大会で発足させた特別委員会「環境会計の発展と構築」から始まり、環境会計がなお発展途上にあると考慮した委員一同がメンバーを拡充するとともに、「環境会計のフレームワーク構築に関する研究」を研究課題として、科学研究費補助金(基礎研究B1)と日本学術振興会平成17年度科学研究費補助金(研究成果公開促進費)の交付を受け、刊行した書籍である。
特別委員会の研究「環境会計の発展と構築」では、環境会計の領域を、国民経済を構成する個々の会計単位すなわち企業、政府・自治体、非営利団体および家計等を対象とするミクロ環境会計と、国民経済そのものを会計単位とするマクロ環境会計に区分した。さらに、ミクロ環境会計は、環境会計情報を企業外部のさまざまな利害関係者に提供する外部環境会計と経営者にその意思決定に資する環境会計情報を提供する内部環境会計に、またマクロ環境会計は、マクロ会計(社会会計、国民経済計算、SNA)における従来の経済勘定と環境勘定との統合を意図する環境経済統合会計と、森林資源、水資源および地下資源等を対象とする自然資源・環境会計にそれぞれ区分し、研究を進めた。科学研究費による研究においてもこれらの区分を踏襲した。
本書は5部14章から構成されている。環境会計のフレームワークについて検討している第1部序章に続く各部は、上述された環境会計の区分に沿っている。すなわち第2部では外部環境会計の取り組みを、第3部では内部環境会計の取り組みをそれぞれ取り上げている。政府・自治体の環境会計の取り組みについては、特別委員会の報告ではマクロ環境会計の一部として記述されていたが、この分野は、ミクロ環境会計と国民経済を対象とするマクロ環境会計の中間領域(メゾ環境会計)であることから、マクロ環境会計より独立させ第4部とし、第5部をマクロ環境会計の取り組みに絞った。