会計の社会言語論的展開

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会計の社会言語論的展開
  • 発売日:2008/03/01
  • 出版社:森山書店
  • ISBN:9784839420611

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会計の社会言語論的展開

会計の社会言語論的展開

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  • 発売日:2008/03/01
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商品説明
 会計には社会から種々の役割期待が向けられている。生成史的にみて、会計ではこれらの期待のうち最大公約数的なものに応えることをもってその主要な目的と位置付け、これを中心に理論の枠組や会計諸基準をつくってきている。しかも、会計である以上、その表現手段として必ず複式簿記の計算機構で加工された会計数値を予定している。ここから、会計は、しばしば自然現象であるかのように誤解を受けるが、けっしてそうではない。会計という現象は社会規範の1つである。会計には、それが行われている時代と場所の諸条件が色濃く反映されており、会計を解明するにはその社会的背景と係わらせてこれを行うことが必要になる。
 社会から期待されている役割のうち、株式会社制度の誕生以降で会計でしか果たすことのできない独自のものは、出資者への結果報告と結果の分け前の算定であったし、現在でも依然として同じはずである。会計ではこれをその主要な目的と位置付け、理論の枠組みも会計諸基準もつくられてきていたが、1990年代以降国際会計基準の動向と関連してこれが揺らいでいる。会計に対する役割期待として投資意思決定への情報提供の側面が強調されているが、これは会計にしか担えないものではない。したがって、これを会計の主要な目的に位置付ける必然性はない。このことは決して忘れてはならない。これまでの会計も1つの目的を中心に全体が整合的につくられていたわけではないが、二兎を追ってその混迷の度合いをさらに大きくすることもないであろう。自己目的を持っておらず手段的性格の強い会計からいえば、役割期待ごとに別個の会計を実施できれば理想的であろうが、会計の経済性の上で困難であろう。そうであるならば、会計にしか担えない独自の役割は何なのかを改めて考えてみる必要があるのではないかと思う。
 その際手がかりになるとみられるのが、社会言語学の分野で発展している意味論と語用論での知見かと思う。会計は、社会言語の一種といえるからである。さりげなく公表されている会計数値にも、その作り手である企業が、社会でのしかるべき役割期待を想定し伝えたいと意図する何かが意味として盛り込まれているはずなので、このような知見を借手解明を進めれば何らかの示唆が得られると思われる。
目次
序 章 会計の原点と社会言語としての役割
  1 はじめに
  2 複式簿記に基づく結果報告と会計数値による分け前の算定
  3 会計の社会言語性と役割
  4 むすび
第1章 会計学と研究方法
  1 はじめに
  2 研究方法と構築される理論の性格
  3 「研究理論」の構築と目的論的研究方法の宿命
  4 目的論的研究方法と「指導理論」の性格
  5 価値判断の回避と計算構造論的研究方法の限界
  6 むすび
第2章 会計と複式簿記の接点
  1 はじめに
  2 二項対照的把握と複式簿記
  3 把握内容の決定と会計
  4 把握金額の決定と会計
  5 把握時期の決定と会計
  6 接点としての脚注・附属明細表(書)
  7 むすび
第3章 会計改革と複式簿記
  1 はじめに
  2 株主資本等変動計算書の財務諸表としての地位
  3 負ののれんと我が国の文化
  4 その他有価証券評価差額金・土地再評価差額金といわゆる資本直入法
  5 むすびにかえて
第4章 非財務諸表情報と会計
  1 はじめに
  2 米国における非財務諸表情報の重視と会計の危機
  3 非財務諸表情報とMD&A
  4 MD&Aの記載内容と会計
  5 むすび
第5章 「企業財務諸表の目的」の概要と疑問点
     ―FASB暫定意見書―
  1 はじめに
  2 財務諸表の3つの目的
  3 基本的な目的と総合的検討
  4 意思決定の具体的内容と財務諸表
  5 財務諸表とキャッシュ・フロー情報
  6 むすびにかえて
第6章 財務会計目的の遂行と貨幣価値変動
  1 はじめに
  2 財務会計の目的
  3 貨幣価値変動と財務会計目的遂行機能の喪失
  4 財務会計目的の遂行に適した貨幣価値変動会計
  5 貨幣価値変動に関する修正方法と表示方法
  6 修正方法の計算例
第7章 ガインサー物価変動会計論の概要と性格
  1 はじめに
  2 物価変動と管理会計的接近の重要性
  3 管理会計的接近と物価指数の選定および保有利得・損失の処理
  4 管理会計的接近と各資産の処理および財務諸表の作成
  5 補足的検討と事例研究
  6 むすびにかえて
第8章 貨幣価値の変動と資本維持
  1 問題の所在
  2 資本維持思考の生成とその背景
  3 資本維持の内容
  4 資本維持の会計学的性格
  5 むすび
第9章 貨幣価値の変動と利益の把握
  1 問題の所在
  2 期間損益計算構造の変貌と利益概念
     ―一般的考察―
  3 収益の計算と貨幣価値の変動
     ―実現主義の修正と発生主義の採用―
  4 費用の計算と貨幣価値の変動
     ―取得原価主義の修正と時価主義の抬頭―
  5むすび
第10章 貨幣価値の変動と実現概念の展開
  1 問題の所在
  2 伝統的実現概念
  3 貨幣価値の変動と実現概念の展開
  4 むすびにかえて
第11章 物価変動会計の将来
  1 はじめに
  2 再来の物価変動会計の特色
  3 投資者の情報要求と物価変動会計の二分化
  4 投資意思決定のための物価変動会計と予測会計情報の外部公開
  5 むすび
第12章 時価評価と損益計算
  1 はじめに
  2 時価評価導入論の背景と真意
  3 現行損益計算の特色と実現基準
  4 分配可能利益の算定と時価評価
  5 むすびにかえて
     ―時価評価への役割期待と代替案―
第13章 取得原価基準における取得原価の意味
  1 はじめに
  2 取得原価基準の生成とその背景
  3 会計でいう評価と貨幣の機能
  4 機能面からみた貨幣と取得原価
  5 むすびにかえて
第14章 企業への投資意思決定のための利益
  1 はじめに
  2 制度的利益の性格と限界
  3 企業への投資意思決定に適した利益概念の模索
  4 むすび
第15章 総括利益とエドワーズおよびベルの利益概念
  1 はじめに
  2 総括利益と含み益(損)
  3 収益源泉の明示化とエドワーズおよびベルの利益概念
  4 むすびにかえて
第16章 外部報告制度と予測会計情報
  1 はじめに
  2 外部報告制度の意味
  3 予測会計情報の外部報告と制度化の方向
  4 制度化にあたっての問題点
  5 むすびにかえて
第17章 投資者の意思決定と予算の公開
  1 はじめに
  2 カレント・コストの利用と予測可能性
  3 代替策としての予算の公開
  4 むすびにかえて
第18章 長期株式投資者の意思決定と予算の公開方法
  1 はじめに
  2 長期株式投資者の意思決定
  3 意思決定に必要な会計情報とその入手方法
  4 企業予算の外部公開の方法
  5 むすびにかえて
第19章 予測会計情報の外部公開と会計原則
  1 はじめに
  2 予測会計情報原則をめぐる諸説
  3 予測会計情報原則の一試案
  4 むすびにかえて
第20章 会計の言語性と国際的調和
  1 はじめに
  2 会計の言語性と社会言語学的分析
  3 言語としての会計と国際的調和
  4 むすび
第21章 会計の社会言語性とインサイダー取引
  1 はじめに
  2 2つの外部報告会計とインサイダー取引
  3 公表の迅速性とインサイダー取引
  4 社会言語としての会計とインサイダー取引
  5 むすび
第22章 会計と社会言語的特性
  1 はじめに
  2 会計の手段的性格と外部報告
  3 社会言語としての会計の特性
  4 むすびにかえて
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