自律的組織の経営システム 日本的経営の叡智

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自律的組織の経営システム 日本的経営の叡智
  • 発売日:2009/07/01
  • 出版社:森山書店
  • ISBN:9784839420819
通常価格 4,180 円(税込)
通常価格 セール価格 4,180 円(税込)
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  • 発売日:2009/07/01
  • 出版社:森山書店
  • ISBN:9784839420819
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商品説明
 本書の基となった研究は、1980年代後半から1990年代にかけて日本的管理会計なるものが世界から注目されたことがきっかけとなっている。その後の日本経済の不振もあって、日本的経営や日本的管理会計に対する欧米諸国の関心は失せてしまった感があるが、日本的経営システムには現代のような多様で不確実な世界において必要とされる英知が組み込まれている。
 伝統的管理会計は、20世紀における米国企業の国際競争力の向上と意地に大きな役割を果たしてきた。しかし、国際競争力の衰退が顕著となった1980年代の米国では原価計算や管理会計による財務的管理手法が激しく批判されるようになった。そのような状況の中で、管理会計研究者たちは、企業環境の激変により旧式の管理会計が役に立たなくなったという前提に立って、新しい時代に相応しい管理会計技法が求められていると主張し、ABC/ABM、BSCなど、戦略的管理会計と呼ばれる革新的技法を提唱してきた。日本的管理会計として注目されるようになった原価企画やアメーバ経営なども、目標原価計算やミニ・プロフィットセンターという観点からの研究、つまり、技法的側面に焦点を当てた研究が行われてきた。しかし、技法として見れば、日本的管理会計は単純なものである。注目すべきは、そのような技法それ自体ではなく、そのような技法を組み込んだ日本的経営システムである。
 あらためて当時を回顧するなら、原価企画など日本的管理会計が注目されたときに、欧米の企業経営者やマネジメント・コントロール・システムの研究者が注目したのは、それが市場志向のマネジメントを促進し、また、組織行動に戦略的方向性を与えているということであった。原価計算や管理会計システムの利用の仕方や機能のさせ方が米国とは異なっているという点が注目されたのである。
 本書は、日本会計研究学会が2005年度に設置した特別委員会「企業組織と管理会計の研究」の成果である。今後も引き続いて各メンバーから研究成果が発表されるであろうが、特別委員会としては本書が最終刊行物となる。本委員会は、日本的管理会計は米国で誕生・確立した伝統的管理会計とは異なる経営環境、企業組織のもとで形成されてきたという事実に着目して研究を行ってきた。今あらためて思うのは、日本的管理会計は、企業経営者の意思決定のための情報システムであるというよりも、企業組織を良い方向に向けて進化させるための経営システムであるということである。
目次
第1章 研究課題と分析フレームワーク
 1.組織コンテクストを重視する管理会計研究
 2.基本的フレームワーク
 3.歴史認識
 4.日本の企業組織
 5.MMループ
 6.MMループと基本的フレームワーク
 7.結び
第2章 組織の自律化におけるマネジメント・コントロールの役割
    ―自己組織化の概念からの考察
 1.はじめに―問題意識と研究課題
 2.「自律的組織」の先行研究
 3.組織の自律化とマネジメント・コントロール
 4.内部モデルと相互参照
 5.ミクロ・マクロ・ループとの共通性
 6.結論
第3章 企業間関係における企業の自律性と管理会計
 1.はじめに
 2.企業間関係における自律性の分析
 3.企業間関係のマネジメントー組織文化・風土のMMループの視点から
 4.企業間管理会計についての考察―MMループの視点から
 5.まとめ
第4章 研究開発組織とマネジメント・コントロール・システム
 1.本章の目的
 2.研究開発機能の展開
 3.研究開発戦略と組織デザイン
 4.研究開発戦略に対するマネジメント・コントロール・システム
 5.結びにかえて
第5章 フランチャイズ組織のマネジメント・コントロール
 1.はじめに
 2.フランチャイズの定義
 3.アメリカにおけるフランチャイズの発展過程
 4.フランチャイズ組織の現代的課題
 5.日本的フランチャイズ
 6.結びにかえて
第6章 ミクロ・マクロ・ループと利益ポテンシャル
    ―トヨタ的な場のマネジメントとその評価
 1.はじめに
 2.「場のマネジメント」の概念装置
 3.「利益ポテンシャル」概念の提唱
 4.おわりに
第7章 自律的行動のための原価企画システム
 1.はじめに
 2.原価企画における自律的行動の有用性
 3.既存研究
 4.研究方法
 5.トヨタの事例
 6.まとめと今後の課題
第8章 自律的組織における予算管理システム
 1.組織前提と管理会計ツールとの関係
 2.双方向の規定関係
 3.日本企業への予算管理システムの本格導入時期
 4.経営システムとしての稟議制度の影響
 5.日本企業における予算管理システムの運用上の特徴
 6.結びにかえて―情報志向の予算管理システム
第9章 自律的組織の情報システム
 1.自律的組織における情報システムの意義
 2.自律的組織に要求される情報システムの役割
 3.情報システムのMMループ(ミクロ・マクロ・ループ)
 4.責任を問われる業績と参考情報としての業績
 5.振替価格をめぐる合意形成
 6.多層的MMループを構築する手段としてのオブジェクト指向原価・収益計算
 7.まとめ
第10章 組織文化と管理会計の相互作用
    ―村田製作所グループの事例研究
 1.はじめに
 2.研究方法
 3.既存の組織風土と管理会計の相互作用
 4.組織風土改革と管理会計の相互作用
 5.まとめ
第11章 経営哲学のもとでのマネジメント・コントロール・システムの再設計
 1.はじめに
 2.MCSの枠組みと経営哲学
 3.リサーチ・デザイン
 4.社是とMCS
 5.社是の実践にともなう副作用
 6.MCSの再設計
 7.事例からのインプリケーションとまとめ
第12章 組織文化と管理会計システム
    ―(株)村田製作所におけるサーベイ・データを中心に
 1.はじめに
 2.先行研究の考察
 3.仮説の設定
 4.仮説の検証
 5.結果の考察
 6.まとめと課題
第13章 村田製作所のマトリックス組織と管理会計
 1.3次元マトリックス組織と連結経営
 2.市場や顧客をめぐる環境変化
 3.組織風土改革
 4.管理会計改革
 5.講演後の質疑応答より
第14章 結びにかえて―外国文献にみる自律的組織の検討
 1.はじめに
 2.自律的組織の検討―組織パターンと経営環境
 3.戦略とMCSの視点からみた検討
 4.自律的組織に必要なミクロ・マクロ・ループ
 5.おわりに
(株)村田製作所・日本会計研究学会特別委員会共同研究報告書「組織風土と管理会計の相互作用」(抜粋)
参考文献
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