戦後ドイツ資本主義と企業経営

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戦後ドイツ資本主義と企業経営
  • 発売日:2009/09/01
  • 出版社:森山書店
  • ISBN:9784839420833

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戦後ドイツ資本主義と企業経営

戦後ドイツ資本主義と企業経営

通常価格 4,620 円(税込)
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  • 発売日:2009/09/01
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商品説明
 本書は、ドイツ資本主義のあり方にも関連する戦後的特質を企業経営のレベルにおいて規定しているシステム、あり方が1950・60年代に形成されてきたという理解に立って、その形成過程と意義を、戦前との比較視点のもとに、また1970年代以降の歴史的過程との関連の中で明らかにすることを意図している。
 本書では、以下の点にとくに留意して考察を行っている。
 第1に、企業経営に影響を及ぼす諸要因の相互の関連性・規定性をふまえた考察という視点である。すなわち、アメリカの世界戦略と対ドイツ政策、その一環としての生産性向上運動の展開による資本主義の世界的連鎖の広がり・深まりという戦後的条件をふまえて、また戦後ドイツにおける企業と国家の関係、労使関係、企業間関係、金融システム、生産力構造、市場構造、産業構造、企業と市場との関係(市場化のあり方)などの諸要因の相互の関連性・規定性をふまえて、それらの全体的な関係性のなかで企業経営の変化を考察・把握するという点である。
 第2に、そのような分析の枠組み・視角から戦後の企業経営の変化をアメリカの技術や経営方式の導入との関連のなかで考察・把握するという点である。すなわち、アメリカ的な方式の導入のなかで、それらがドイツの条件にあわせて修正されながらどのようなドイツ的な経営のスタイル、様式、特徴・あり方がみられることになったか、またそのことはいかなる意義を持ったかという点の解明を試みている。本書では、技術の問題と共に、この時期に導入が取り組まれた主要な経営方式を全面的に取り上げて考察し、その実態の総合的・全体的な把握をとおして企業経営の変化の全体像を明らかにしている。そのさい、産業別比較、企業間の比較の視点から変化の一般的傾向とともに、産業間、企業間の差異、そこにみられる諸特徴をも明らかにしている。
 第3に、そのような企業経営のドイツ的な特徴、あり方をめぐって、戦後当初から有力な輸出市場となりうる先進諸国がアジアには存在せずアメリカへの大きな輸出依存とならざるをえなかった日本とは異なり、先進諸国が多く存在していたヨーロッパの市場の条件・特質がいかなる意義を持つものであったかという点、「ヨーロッパのなかのドイツ」ということの意義をふまえた考察を行うという視点である。すなわち、共同市場化の問題も含めて戦後のドイツ資本主義と企業経営の特質・条件がヨーロッパ的構造・条件のもとに形成されてきたという視点から、ヨーロッパという地域性に根差したドイツ資本主義の構造的条件との関連のなかで企業経営の考察を行っている。
 第4に、そのような企業経営の面からのみならず、産業集中の面からも戦後のドイツ資本主義をとらえるという視点である。そこでは「産業と銀行の関係」、コンツェルン体制にみられる企業間関係に基づく産業集中の変化の内実を解明し、それを蓄積構造の面から把握するなかでドイツ資本主義の協調的特質の戦後的なあり方について考察するとともに、企業経営との関連のなかで産業集中の意義を明らかにしている。
目次
 序章 研究の課題と方法
  第1節 本書の問題意識
  第2節 研究の課題
  第3節 分析の枠組みと研究方法
第1部 戦後の資本主義の世界的構造と生産性向上運動
 第1章 アメリカの世界戦略・対ドイツ政策の展開とその意義
  第1節 アメリカの世界戦略とドイツ占領政策
   1 独占企業の解体・集中排除政策とその影響
   2 西側占領政策の転換と生産力に対する制限的措置の緩和
   3 アメリカの占領政策と独占規制政策へのその影響
  第2節 アメリカの世界戦略とマーシャル・プラン
   1 アメリカ主導の戦後資本主義体制の再編とマーシャル・プラン
      ―マーシャル・プランの歴史的性格―
   2 マーシャル・プランとドイツの位置
  第3節 アメリカ主導の世界経済体制の再編とドイツの立ち位置
 第2章 生産性向上運動の展開と資本主義の世界的連鎖の広がり
  第1節 アメリカの技術援助計画と生産性向上運動の国際的展開
   1 生産性向上運動の国際的展開
   2 生産性向上運動の展開と技術援助・生産性プログラム
   3 アメリカ主導の生産性向上運動とドイツ側の対応
  第2節 ドイツにおける生産性向上運動の展開とその特徴
   1 ドイツにおける生産性向上運動の展開とその社会経済的背景
   2 生産性向上運動への国家の関与とその特徴
   3 生産性向上運動への労働者・労働組合の関与とその特徴
   4 生産性向上運動の主要問題
第2部 戦後ドイツの政治経済的変化と企業経営
 第3章 戦後経済体制と「企業と国家の関係」
  第1節 社会的市場経済、通貨改革と撰後の経済体制
   1 社会的市場経済の原理と新しい経済秩序の意義
   2 通貨改革とその意義
  第2節 国家による投資促進政策の展開と「企業と国家の関係」
   1 投資助成法とその意義
   2 投資促進のための減価償却制度とその意義
   3 投資促進のための優遇税制とその意義
  第3節 国家の競争政策・独占規制とその意義
   1 戦後の競争政策・独占規制の基本的特徴
   2 競争制限防止法とその意義
  第4節 欧州統合への取り組みとその意義
 第4章 共同決定制度と労使関係の新しい枠組み
  第1節 労使関係の新しい枠組みとその特徴
  第2節 共同決定制度の成立とその背景
  第3節 共同決定制度とその現実
   1 企業レベルの共同決定とその現実
   2 事業所レベルの共同決定とその現実
   3 1990年代以降の資本主義の変化と共同決定制度の現実
  第4節 共同決定制度と企業統治
  第5節 共同決定制度の意義
   1 共同決定制度と労資の情報・コミュニケーションの改善
   2 共同決定制度と協調的・安定的労資関係
   3 共同決定制度とセイフティーネットをめぐる問題
第3部 産業システム、コンツェルン体制の新しい展開と産業集中
 第5章 「産業と銀行の関係」と産業システムの新しい展開
  第1節 ユニバーサルバンク制度と「産業と銀行の関係」をめぐる問題
  第2節 「産業と銀行の関係」と産業システム
   1 監査役会の機能とそれをめぐる問題
   2 銀行の信用業務、証券業務と産業企業への影響
   3 銀行による株式所有、寄託株式制度と産業企業への影響
   4 銀行と産業企業との間の役員派遣とその意義
   5 顧問会制度による産業・銀行間、産業企業間の情報共有システム
  第3節 「産業と銀行の関係」と企業統治
   1 産業・銀行間の産業システムに基づく協調的企業統治システム
   2 共同決定制度と産業・銀行間の協調的企業統治システム
  第4節 「産業と銀行の関係」の新しい展開とその意義
 第6章 企業の集中とコンツェルン体制の新しい展開
  第1節 独占企業の再結合とコンツェルン体制の新展開
   1 独占企業の再結合の背景
   2 独占企業の再結合と分業的事業展開
   3 独占企業の再結合とコンツェルン体制の新展開の意義
  第2節 第3次企業集中運動とコンツェルン体制の再編
   1 第3次企業集中運動の背景
   2 第3次企業集中運動の展開とその特徴
   3 主要産業部門における企業集中の展開
   4 第3次企業集中運動とコンツェルン体制の再編の意義
第4部 技術のアメリカ化と生産の変革
 第7章 技術のアメリカ化と生産技術の革新
  第1節 アメリカとドイツの技術格差とキャッチアップの問題
   1 化学産業における技術格差とキャッチアップの問題
   2 加工組立産業における技術格差とキャッチアップの問題
  第2節 アメリカからの技術移転をめぐる問題
   1 技術移転とその方法
   2 技術移転の進展とその特徴
   3 技術移転の意義
 第8章 生産技術の革新と生産過程の変革
      ―鉄鋼業、化学産業および自動車産業の考察―
  第1節 鉄鋼業における生産技術革新と生産過程の変革
   1 鉄鋼業における生産技術革新の重点
   2 主要工程部門における生産技術革新と生産過程の変革
  第2節 化学産業における生産技術革新と生産過程の変革
   1 化学産業における生産技術革新の重点
   2 主要製品部門における生産技術革新と生産過程の変革
  第3節 自動車産業における生産技術革新と生産過程の変革
   1 自動車産業における生産技術革新の重点
   2 代表的企業における生産技術革新と生産過程の変革
第5部 企業経営のアメリカ化とドイツ的展開
 第9章 アメリカ的経営方式の学習の組織的取り組みとその特徴
  第1節 合理化促進・支援機関の役割
  第2節 経済団体による取り組みとその特徴
  第3節 企業による取り組みとその特徴
  第4節 経営コンサルタント会社の役割
 第10章 アメリカ的管理方式・生産方式の導入とドイツ的展開
      ―IE、ヒューマン・リレーションズおよびフォード・システムを中心に―
  第1節 インダストリアル・エンジニアリングの導入とその特徴
   1 インダストリアル・エンジニアリングの発展とその影響
   2 ワーク・ファクター法の導入とその特徴
   3 MTM法の導入とその特徴
   4 主要産業部門におけるワーク・ファクター法とMTM法の導入
   5 インダストリアル・エンジニアリングの導入のドイツ的特徴
  第2節 ヒューマン・リレーションズの導入とその特徴
   1 ヒューマン・リレーションズの導入の社会経済的背景
   2 ヒューマン・リレーションズの導入の取り組みとその特徴
   3 ヒューマン・リレーションズの導入の限界とその要因
  第3節 フォード・システムの展開と生産システムの変革
   1 戦後のフォード・システムの導入の全般的状況
   2 自動車産業におけるフォード・システムの導入と大量生産システムの展開
   3 大量生産システムの展開とそのドイツ的特徴
 第11章 アメリカの経営者教育・管理者教育の導入とその影響
  第1節 経営者教育・管理者教育の改革とアメリカのイニシアティブ
  第2節 経営者教育・管理者教育におけるドイツの大学の役割とその限界
  第3節 アメリカの経営者教育・管理者教育の導入とその特徴
   1 TWIの導入とその特徴
   2 経営者教育の手法の導入とその特徴
  第4節 アメリカの経営者教育・管理者教育の導入の限界とその要因
 第12章 大量生産の進展と市場へのアメリカ的対応
      ―マーケティング、PRおよびORの展開―
  第1節 マーケティング手法の導入とその特徴
   1 戦後のドイツの状況とアメリカのマーケティングの影響
   2 マーケティング手法の学習・導入の経路
   3 マーケティング手法の導入の全般的状況
   4 主要産業部門におけるマーケティング手法の導入とその特徴
   5 マーケティング手法の導入のドイツ的特徴
  第2節 パブリック・リレーションズの導入とその特徴
   1 パブリック・リレーションズの導入の全般的状況
   2 パブリック・リレーションズの導入の代表的事例
   3 パブリック・リレーションズの導入のドイツ的特徴
  第3節 オペレーションズ・リサーチの導入とその特徴
 第13章 事業構造の再編と管理機構の変革
  第1節 多角化の傾向とその特徴
   1 戦後の多角化の社会経済的背景
   2 多角化の進展とその特徴
  第2節 組織革新と事業部制組織の導入
   1 事業部制組織の導入の背景
   2 多角化の進展と組織構造の変革
   3 事業部制組織の導入過程
   4 事業部制組織の導入と内部統制組織の確立
      ―コントローリング制度の導入とその意義―
  第3節 管理機構の変革におけるアメリカの企業とコンサルタント会社の影響・役割
   1 管理機構の変革とアメリカ企業の影響・役割
   2 管理機構の変革とアメリカのコンサルタント会社の影響・役割
  第4節 事業部制組織の導入のドイツ的特徴
   1 事業部制組織の機構とそのドイツ的特徴
   2 ドイツの管理の伝統と事業部制組織の導入へのその影響
 結章 戦後の企業経営、産業集中とドイツ資本主義
  第1節 戦後ドイツの「企業経営の構造体系」とその全体像
  第2節 「アメリカ化」における「再構造化」と企業経営のドイツ的展開
   1 アメリカ化とドイツ的適応
   2 アメリカ化におけるドイツ的適応と企業経営の伝統・文化的要因の影響
   3 アメリカ化におけるドイツ的適応と制度的要因の影響
   4 ドイツ資本主義の構造的特質と企業経営の戦後展開
   5 市場におけるポジショニング、製品戦略・生産戦略とドイツ的ものづくりの展開
  第3節 ドイツ資本主義の歴史的条件と企業経営
       ―経済成長期とその後の展開をめぐって―
   1 戦後の経済成長期のドイツ資本主義の歴史的条件と企業経営
   2 1970年以降の資本主義の歴史的条件の変化と企業経営のドイツ的対応
  第4節 産業集中の戦後展開とドイツ資本主義の協調的特質
  第5節 ドイツ型資本主義と合理性原理をめぐる問題
  第6節 残された課題と研究の展望
索引
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