本書は「会計を科学する」という視点から次のことを解明する。
① 会計基本原則の視点から財貨・用益を資産として認識する合理性を解明する。
② 会計基本原則の視点から資産価値を評価する合理性を解明する。
③ キャッシュ・フローの視点から資産価値を見積もる妥当性を解明する。
上述のことを解明するアプローチが、「仮説検証型アプローチ」である。すなわち、このアプローチには規範理論と実証理論の組合せによって成り立っている。先ず、会計責任者は、会計基準から演繹的に仮説を構築する。次に、この仮説をデータに基づき検証する。仮に、データに基づき仮説が検証されたとしても、後日、反証されることも起こりうる。本書は、土地の評価額を具体的な例として取り上げ、仮説検証型アプローチによる論理構成を試みる。
本書は、3編から構成される。
第Ⅰ編では、固定資産価値を分析する会計原則の役割を解明する。このことは、企業が固定資産の計上能力を表す評価の基準を選択し適用するための判断基準を示すことになる。また、フランス会計における基本的な計算構造を解明し、固定資産の計上能力を表す評価の基準として、会計原則の視点から取得原価基準を採択する合理性を解明する。
第Ⅱ編では、固定資産の再評価基準を導入した歴史的経緯を明らかにし、再評価益を貸借対照表の「純資産の部」に計上する根拠を解明する。また、基本原則の視点からは再評価基準が採択する合理性を解明する。
第Ⅲ編では、国際的な会計基準が定める公正価値基準には、会計的な合理性がないことを指摘し、再評価基準の基本的構造を踏襲したかたちであらたな公正価値基準を提案する。また、基本原則の視点から公正価値基準の合理性を解明する。