アメリカにおいては、かつて、リース会計、偶発事象会計、年金会計など、取引価格、配分、対応を基礎概念とする近代会計理論では論理化できない会計実務・会計基準が導入されていた。それらの会計実務・会計基準は、近代会計理論のもとでの認識領域よりも、将来方向へとはるかに拡大され、将来事象を早期に認識するものである。そこで、それらの会計実務・会計基準を論理化しうる概念フレームワークが要求され、『財務会計概念ステイトメント・シリーズ』が出現するに至ったのである。
さらに、その認識領域の拡大化と早期化は止むことなく、いっそう推し進められようとしている。現在では、公正価値評価を軸とした論理が展開されている。現代のアメリカにおける会計理論の動向は、会計認識領域の拡大化と認識の早期化を積極的に推し進めることにある。
本書は、そのような会計認識領域の拡大化と認識の早期化がどのような論理でもってなされてきたのか、またなされようとしているのか、また、現象的にそのような論理でもってどのような会計実務・会計基準が論理化されているのか、そのことが会計上いかなる本質的意味を持つのかということについて分析を行った。