会計理論の制度分析

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会計理論の制度分析
  • 発売日:2011/03/01
  • 出版社:森山書店
  • ISBN:9784839421083

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会計理論の制度分析

会計理論の制度分析

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商品説明
 この半世紀ばかりの間に会計理論は、大きく変わった。それは、損益計算書アプローチの理論から貸借対照表アプローチの理論への転換として説明されている。損益計算書アプローチの理論は、収益と費用との適切な対応によって利益を確定しようとする。貸借対照表アプローチの理論は、資産と負債の認識と価値評価に基づいて利益を確定しようとする。会計理論は、歴史的に、損益計算書アプローチの理論から貸借対照表アプローチの理論へと大きく転換を遂げた。この転換のプロセスにおいては、理論や概念の継承と発展は見られず、そこでは断絶した転換があるのみである。このような理論変化を反映して、会計のテキスト等では、重要な概念として説明されていたものが、新しいものに取って代えられると、過去の概念は無視され、忘れ去られてしまう過程が進行する。
 本書は、このような会計理論の変化の意味を、会計理論がもつ制度的性質においてとらえ検討したものである。会計の理論は、その国の会計制度の仕組みと結びつき、制度的な機能を果たすものとして成立し変化する。会計理論の制度性に焦点をあてると、理論変化になぜ断絶的な転換が生まれるのか、またなぜ会計理論が経済危機と会計改革に促されるようにして形成されるのか、このような疑問を解き明かす糸口を得ることができる。
目次
序章 会計理論の制度性
第1章 対応概念はなぜ消えた?
 1. 会計における手続(「プラクティス」)と論理(「ロジック」)
    (1) 会計の手続用語
    (2) 会計手続モデル
    (3) 会計手続に必随する判断
    (4) コンベンションとしての会計
 2. ペイトンとリトルトンによる対応の論理
    (1) 会計理論構成の要素としての経済危機
    (2) 対応の論理の構造
    (3) 対応の恣意性
 3. FASB概念ステイトメントによる認識の論理
    (1) 認識に焦点をあてた論理
    (2) FASB概念ステイトメントにおける利益概念
    (3) 制度装置としての概念ステイトメントの性質
    (4) 費用と収益の関係を問わない効果
    (5) 公正価値評価の恣意性
    (6) 「信頼性」用語の取替
 4. 利益計算における「対応」の論理と「認識」の論理
 5. この半世紀における会計実務変化
    (1) 費用と収益の対応関係の喪失
    (2) 会計利益の縮小化
    おわりに
第2章 会計手続と会計判断、経営者インセンティブ
    はじめに
 1. 貸借対照表と損益計算書
 2. 会計の利益決定における各要素の位置
 3. 会計利益計算における判断事項
    (1) 認識:財務諸表の本体計上についての判断局面
    (2) 認識時点:いつの時点で計上するかの判断局面
    (3) 測定:会計要素にどのような数値をつけるかの判断局面
    (4) 分類:基本要素のいずれに分類するかの判断局面
    (5) 方式の選択:どのような会計方法を選択するかの判断局面
    (6) 実体的取引の創造:会計認識のためのどのような取引を創り出すかの判断局面
 4. 認識領域の拡大、判断領域の拡大
    (1) 資産における認識領域の拡大
    (2) 負債における認識領域の拡大
 5. 会計に対する経営者インセンティブ
    (1) 資本市場における経営者インセンティブ
    (2) 契約と政治過程における経営者インセンティブ
    おわりに
第3章 会計理論の制度分析
    はじめに
 1. ドイツの会計理論(フレーリックス理論)とアメリカの理論(スターリング理論)
    (1) ドイツ:フレーリックス理論
    (2) アメリカ:スターリング理論
 2. 会計理論の形成基盤
    (1) 会計理論の型をきめるもの
    (2) 二つのガバナンス・モデル
    (3) ドイツ会計制度と会計理論需要
    (4) アメリカ会計制度と会計理論需要
 3. 国際会計基準の論理と国際的適用不全
    (1) プリンシプル・ベース会計基準と概念フレームワーク
    (2) 概念フレームワークの論理は、プリンシプル・ベースの会計基準と整合するか
    (3) 世界統一の概念フレームワークの不適合
    おわりに
第4章 日本における会計判断の制度的性質
    はじめに
 1. 会計判断と経営者インセンティブ
 2. 会計判断を正当化するシステム
    (1) 会計制度の3つのタイプ
    (2) ドイツ会計制度
    (3) アメリカ会計制度
    (4) 日本の会計制度
 3. 行政規制会計制度モデル
 4. 繰延税資産の会計基準と行政規制会計制度システム
    (1) 銀行救済の金融政策に従属した日本税効果会計基準
    (2) 繰延税資産会計実務の実態
    (3) 日本の税効果会計基準の特徴
    おわりに
第5章 会計概念としての公正価値
    はじめに
 1. 公正価値の会計概念
 2. 公正価値の検証不能性と監査不能性
 3. 検証不能公正価値の会計実務
    (1) エンロンによる公正価値
    (2) のれん減損における公正価値
 4. 公正価値概念の性質
第6章 公正価値会計基準の制度的性質
    はじめに
 1. 制度概念としての公正価値
 2. 「市場に対する参照(mark-to-market)」と「モデルに対する参照(mark-to-model)」の本質的な違い
 3. 「推測に対する参照(mark-to-estimate)」事象の監査不能性
 4. 公正価値基準と会計操作の可能性
 5. 公正価値基準の論理
 6. 公正価値基準が求める制度装置
    おわりに
第7章 のれん・無形資産減損会計における公正価値概念の制度効果
    はじめに
 1. 無形資産とのれんの認識
 2. 無形資産の減損評価
 3. のれんの減損評価
    (1) 取得のれんの報告単位への割付け
    (2) のれんの減損テストの2段階
    (3) 未記録の資産の公正価値測定
    (4) 報告単位の公正価値の評価方法
 4. のれんと無形資産会計における認識領域の拡大を支える測定の概念
    (1) 無形資産会計における分離可能性の検証不能性
    (2) のれんと無形資産の減損損失の検証不能性
    おわりに
第8章 包括利益概念の制度分析
 1. クリーン・サープラスの規範
 2. クリーン・サープラスの現実
 3. クリーン・サープラスの規範にダーティ・サープラスの現実を組み込んだ包括利益概念
第9章 制度としての会計概念フレームワーク
    はじめに
 1. 会計概念フレームワークの不可能性と必要性
 2. プロフェッショナル会計制度と会計概念フレームワーク
 3. 会計概念フレームワークの制度的機能
    おわりに
第10章 企業は嘘をつかない?
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