製品原価計算論

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製品原価計算論
  • 発売日:2011/03/01
  • 出版社:森山書店
  • ISBN:9784839421090

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製品原価計算論

製品原価計算論

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商品説明
 近年の会計学は、その歴史上、大きな変革期を迎えているように思われる。とくに国際財務報告基準(IFRS)による影響は大きい。しかし、その変革期の中でも、製品原価計算研究の領域における進展の速度は牛歩のごとくであると言える。活動基準原価計算(ABC)の登場によって一時的に製品原価計算研究が活性化したのも20年近く前のことであった。
 原価計算は、現代の経済社会で組織を適切に運営していくためには不可欠なシステムである。それは、原価計算システムが組織内部の経済活動を写像し、組織構成員が進むべき道筋を決定するのに役立つ増分原価情報を提供するからである。しかしながら、原価計算自体の重要性は研究者間・実務者間を問わず広く認識されているものの、しばしば原価計算における平均化の側面に焦点が当たり、批判の矛先が向けられている。原価計算の本質を適切に理解するためには重要な課題が未解決のまま残されてきたように思われる。
 これまで、原価計算における個別の技法について考察する研究は見られたが、個々のプロセスと原価計算システム全体とを関連付けて体系化した研究は数少ないように思われる。その意味でも、とくにNoreen(1991)他によるanalytical approachの研究潮流に基づいて、製品原価計算システムの構築に関する基礎理論を究明する必要があった。そこで、製品原価計算論の生成から現在に至るまでの発展を回顧し、どのようにして因果関係が追究され、どのようにして意思決定に資する増分原価概念が洗練化されるべきかという点に基本的課題を据えた。
目次
序章 製品原価計算の分析的研究
 第1節 問題の設定
   1-1. 本書における問題意識
   1-2. 本書の意義:analytical approach
 第2節 原価計算システムの利用に関する諸問題
   2-1. ABCの提唱と発展の概略
   2-2. 原価計算システムの現状:ABCの普及状況
   2-3. ABCの利用に関する諸問題
   2-4. ABCの実行可能性が問題になる理由
 第3節 研究の潮流
   3-1. 実行可能性の問題と3つの潮流
   3-2. 組織内部環境の諸問題を扱った研究:implementation-phase approach
   3-3. 計算構造上の諸問題を扱った研究:analytical approach
   3-4. 費用便益アプローチに属する研究:cost-benefit approach
   3-5. 製品原価計算研究の3つの潮流
   3-6. 研究の潮流の範囲と研究対象の限定
 第4節 本書の構成
第1章 製品原価計算の基本構造に関する前提的考察
 第1節 問題の所在
 第2節 原価計算の手続
   2-1. 原価計算の基本的プロセスと資源の投入・利用
   2-2. 原価計算の基礎概念:原価の凝着性と因果関係
 第3節 Noreen(1991)の提示する3つの条件
   3-1. 条件導出のための前提的考察
   3-2. 基礎原価データ算出のための必要十分条件
 第4節 原価計算における基本構造内のプロセスと3つの条件
   4-1. Noreen(1991)が示す3つの条件の貢献
   4-2. 伝統的方法とABCとの相違
   4-3. 原価計算プロセスと3つの条件
 第5節 本章のまとめ
第2章 ABC以前の製品原価計算研究の発展:1986年まで
 第1節 問題の所在
 第2節 製品原価計算論の史的展開についての先行研究
   2-1. Littleton(1933)
   2-2. Garner(1954)
   2-3. Brummet(1957)
   2-4. Solomons(1968)
   2-5. Wells(1978b)
   2-6. Johnson & Kaplan(1987)
   2-7. 廣本(1993a)
 第3節 生成・確立期の原価計算における3つの視点
   3-1. 視点の設定:Littleton(1933)およびGarner(1954)の所説
   3-2. 3つの視点と原価計算の基本的プロセス
 第4節 展開・反省期の製品原価計算研究
   4-1. 展開・反省期原価計算論の諸論点
   4-2. 製品原価概念の洗練化と増分原価
 第5節 本章のまとめ
第3章 コスト・プールの設定とコスト・プール別計算
 第1節 問題の所在
 第2節 諸概念の整理
   2-1. 前提:原価計算の基本構造
   2-2. コスト・プールと原価部門の概念整理
   2-3. 伝統的方法における原価部門の設定
 第3節 伝統的方法によるコスト・プールとABCの活動
   3-1. 伝統的方法とABCとの比較:コスト・プールの設定
   3-2. コスト・プール別集計の方法
 第4節 古典的アプローチによる分割可能性と加法性
   4-1. 古典的アプローチの前提
   4-2. 弾力性の概念
   4-3. コスト・プールへの分割可能性:分割可能性の条件
   4-4. コスト・プール間の独立性:加法性の条件
   4-5. 統計的手法による補完
 第5節 会計的アプローチと古典的アプローチとの比較
   5-1. 焦点の相違
   5-2. 責任センターの特性
   5-3. 活動センターの特性
   5-4. 機能別分類との関係
 第6節 本章のまとめ
第4章 コスト・ドライバーと製品別計算
 第1節 問題の所在
 第2節 コスト・ドライバーの分析に関する主要文献のレビュー
   2-1. Foster & Gupta(1990a)の見解
   2-2. Banker & Johnston(1993)の見解
 第3節 正比例性の検証:Noreenの見解
   3-1. Noreenの見解
   3-2. 1994年論文の分析
   3-3. 1997年論文の分析
   3-4. 各検証の限界点の検討
 第4節 コスト・ドライバー・レートの設定:Demskiの見解
   4-1. Demski(1997)の見解
   4-2. 直接原価計算と全部原価計算との相違
   4-3. 代替的な生産環境における基礎概念の利用
   4-4. 選択問題と生産環境
 第5節 見解の相違と本章のまとめ
第5章 コスト・プール別計算と製品別計算の関係の分析
 第1節 問題の所在
 第2節 製品原価差額の相殺:Gupta(1993)の見解
   2-1. 異質性および差額に関する尺度と仮説検証の過程
   2-2. 歪みの尺度の数値例
   2-3. 差額の相殺についての検討
 第3節 製品原価における誤差のトレード・オフ:Datar & Gupta(1994)の見解
   3-1. 誤差の概念と種類
   3-2. 誤差の数値例と意義
   3-3. トレード・オフについての検討
 第4節 Noreen(1991)の条件間の関係
   4-1. Gupta(1993)およびDatar & Gupta(1994)のまとめ
   4-2. 第1条件の検討
   4-3. 第2条件の検討
   4-4. 第3条件の検討
   4-5. 条件間の相互関係
 第5節 本章のまとめ
第6章 現代的原価計算システムの再構築
 第1節 問題の所在
 第2節 コスト・プール別計算と製品別計算において残された課題
   2-1. コスト・プール別計算の段階における諸問題
   2-2. 製品別計算段階における諸問題
   2-3. 原価計算システム全体の一貫性に関する問題
 第3節 Bromwich & Hong(1999)の見解
   3-1. 議論の前提:古典的アプローチの拡張
   3-2. 技術に関連する条件
   3-3. 会計システムに関連する条件
   3-4. 資源の価格に関連する条件
   3-5. 原価関数の分割可能性に関する条件
 第4節 正確な原価計算システムの実行可能性の条件
   4-1. Bromwich & Hong(1999)から得られるインプリケーション
   4-2. NoreenおよびChristensen & Demskiの見解に関する分析
   4-3. Noreen & SoderstromとDemskiの見解に関する分析
   4-4. コスト・プール別計算と製品別計算との間のジレンマ
 第5節 課題への対処と本章のまとめ:製品原価計算システムの意義と限界
第7章 製品原価計算研究の近年の動向
 第1節 問題の所在
 第2節 実行可能性の問題の再認識と3つの潮流
   2-1. 実行可能性の問題:TDABC提唱の背景
   2-2. 潮流間の相互作用の必要性
 第3節 近年の動向とインプリケーション
   3-1. Kaplan & Anderson(2007)の所説:TDABC
   3-2. Labro等の所説
   3-3. その他の主要な研究
 第4節 本章の要約と結論
終章 製品原価計算研究の課題と展望
 第1節 本書の要約と結論
   1-1. 研究の潮流と研究対象
   1-2. 原価計算における前提と史的展開
   1-3. コスト・プール別計算段階
   1-4. 製品別計算段階
   1-5. 原価計算システムにおける一貫性
   1-6. 原価計算システムの意義と限界
   1-7. 近年の動向:TDABCとLabro等の所説
 第2節 課題と今後の展望
参考文献
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