学校生活には、心が動き、自分の殻を破るきっかけがあふれている。
自由教育で知られる明星学園中学校・高等学校で、国語科教諭、そして副校長として教育現場を見つめてきた著者が、生徒が成長する瞬間、授業、さらに新しい時代に必要とされる取り組みについて語ります。
「わたしもきっと自分の居場所を見つけるね!」そう言って巣立っていった生徒、
民泊で「今日から大家族だね」とおばあに言われたのが一番うれしかったと綴った生徒、
「自分の自由の邪魔になるものをなくせば自由になれるの?」と哲学的質問した生徒、
卒業論文で「どうすれば痛くない注射針を作れるか?」というテーマを持ってきた生徒・・・
その光景が目に浮かぶようなエピソードが、生徒たちの生き生きとした言葉とともに紹介されている本書。そこにはおだやかに、けれども熱く彼らと向き合う一人の教師のまなざしがあります。
「迷ったときは、楽なことより楽しいことを。」
教師なのに人前で話すのが苦手、「自分は失敗の連続だった」と語る著者が、送り出してきた多くの生徒の成長を振り返りながら、いま不安を感じ、悩んでいる中学生へ、そんな彼らを見守る保護者へ、そして彼らに寄り添い、自身も成長しようとする教師へ向けたメッセージは、思いやりにあふれ、それでいて多くの示唆に富んでいます。さまざまな立場から、何度でも読み返し、自分の胸にとどめておきたくなる一冊です。