私たちには基礎年金番号、運転免許証番号、住民登録番号、保険証の番号など、多くの番号が付けられています。しかしこれらの番号はそれぞれの業務の目的のために、その対象者に限って付けられ、利用も限定された「限定番号」です。
いま作られようとしている共通番号制度は、住民登録のある(定住外国人を含む)全ての国民に強制的に付番され、様々な「限定番号」をつないで広範な事務に汎用的に使用される「共通番号」であり、まったく違う新しい番号です。プライバシーに深く関わり差別的扱いの原因となるおそれのある「障害」、母子、生活保護・失業、疾病・要介護などのセンシティブ情報や、住基ネットでは提供されない世帯情報も、情報提供ネットワークを通して提供されます。こうした情報が、行政機関や関係する民間機関の間で情報共有されていくことで、漏洩や本人の意思に反した利用が心配されます。
この本では、監視社会や管理強化、プライバシー侵害などの問題からの批判だけでなく、現実に作られようとしている制度やシステムに内在する矛盾や問題点の検討にも力を入れました。