描かれた場所に留まり、やがて死にゆく運命をそのままにするか。
はたまた、素晴らしいアート作品として「保存」し、後世に残すべきか。
失われた重要作品50点と、消えてしまった謎をたどる。
故郷であるイギリス・ブリストルを中心に、世界各地に30年にわたり作品を描いてきたバンクシー。
一過性というストリートアートの特性に加えその爆発的な人気ゆえ、今ではほとんどの作品が描かれた場所から消え去っている。
作品にとって正しいのは、「保護(保管・販売)」する目的で撤去するアートディーラーか、
あるいは、描かれた場所で同業であるグラフィティアーティストに上書きされることをそのまま受け入れることか。
本書は、今はなきバンクシーの傑作50作品と、それぞれがたどった運命を豊富な写真を交えて記録したルポルタージュであり、
バンクシー芸術の本質、作品の金銭的価値、ストリートアート本来の一過性の性質について読者に問いかける、
ありそうでなかったバンクシーのガイドブック的一冊です。