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商品説明
眼の奥に錆びた秤が一つあり泣けばわずかに揺れる音する


『悪友』で熱烈な支持を集める著者の、無二の進化を遂げた渾身の第二歌集。


【栞文より】

「救われたくない。ゆるされたくない。そう何度も叫んでいる。(中略)できれば全て脱ぎ捨てたいのだ。そうすればふたたび穢れず生きていける」(江戸雪)

「榊原の美意識は現代短歌において実に独自性が高い。そしてその根底には、神秘への思慕がある」(黒瀬珂瀾)

「この作家の器の大きさに感嘆した。自在な言葉が相応な重さを持って宇宙の謎に拮抗している。人間が人間である悲苦から逃げることなく、現代人の知性によって真っ向から対峙している。(中略)怖るべし・怖るべし・怖るべし」(水原紫苑)



【収録歌より】

銀漢に表裏があれば手触りは違うのだろう 指輪を外す

百合のように俯き帽子脱ぐときに胸に迫りぬ破約の歴史

額縁を焼(く)べてきたかのような貌ゆっくり上げてただいまと言う

ボトルシップの底に小さな海がある 語彙がないから恋になるだけ

ヘアバームのくらいにおいだ泣くのなら最初の一粒から見ていたい



【栞】

江戸雪「滅びの思考」

黒瀬珂瀾「かずかぎりなきあなたとわたし」

水原紫苑「宝剣の一行」
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