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本とみかんと子育てと 農家兼業編集者の周防大島フィールドノート

本とみかんと子育てと 農家兼業編集者の周防大島フィールドノート

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写真250点、原稿用紙換算1600枚超! 山口県周防大島の、本邦随一みかん農家兼業ひとり出版社の、998日にわたる営農と本づくり、子育ての記録。一見つまらない日々の記録と考察の集積から、今様の、島の生活誌、民俗誌を綴る。コロナ禍、変化を余儀なくされる島の暮し。僻地もまたグローバル化とは無縁ではない。
みかん生産は島の基幹産業なれど、深刻な気候変動、拡大の一途を辿るイノシシ被害、過疎化高齢化による担い手の先細りと耕作放棄地拡大、コスト高と重労働に見合わない低収入、等々、マイナス要素を挙げればキリがなく、前向きになれる要素など何一つとして無い。
5反(0.5ヘクタール)1年の稼ぎで子供を4年間東京の大学にやれた、1町(1ヘクタール)1年の稼ぎでみかん御殿が建った。よき時代の黄金伝説。今や見る影もない。著者の今のみかん稼ぎでは、子供を大学どころか高校にもやれん。それでも、先達の労苦と創意工夫の結晶たる畑を守り、みかんを育て、子供を育てる。極論すればこの島にはみかん以外に誇るものなどない、だからこそ、みかんを守らねば島は沈む。
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