第1章 求心力から遠心力の寓意世界へ――「パニック」
第2章 遠心力を用いた現代寓話――「巨人と玩具」「裸の王様」
第3章 アレゴリカルな自伝的小説の試み――「なまけもの」「二重壁」「フンコロガシ」
第4章 遠心力の文学への回帰と提喩の世界――『日本三文オペラ』『ロビンソンの末裔』「流亡記」「屋根裏の独白」
第5章 ノンフィクション・ノベルからルポルタージュへ――『片隅の迷路』『日本人の遊び場』『ずばり東京』『ベトナム戦記』
第6章 ルポルタージュからふたたび小説へ――『見た 揺れた 笑われた』『青い月曜日』「玉、砕ける」「ロマネ・コンティ・一九三五年」
第7章 ベトナム戦争を題材とする作品群――「兵士の報酬」「フロリダに帰る」「岸辺の祭り」『渚から来るもの』
第8章 ベトナム戦争のトラウマと「闇三部作」――『輝ける闇』『夏の闇』『花終る闇』
第9章 過去への遡行と晩年の作品――『破れた繭 耳の物語』『夜と陽炎 耳の物語』『珠玉』