図解 幕末史 増補改訂版

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「幕末」という時代を丸ごと理解する

1853年(嘉永6年)6月3日はまさに日本にとって歴史を変えた1日となった。アメリカのペリー艦隊が来航したのでさる。
この日を境に幕府も朝廷も武士も貴族も庶民もそれぞれがそれぞれの立場で混乱した。そして「幕末」という時代に突入するのである。
本来の幕末は約260年続いた江戸時代の中で、わずか15年ほどに過ぎない。しかしそれは凝縮された15年であった。
これまで政局に関与してこなかった諸藩が表舞台に登場し、開国・攘夷・勤王・佐幕といった思想が交錯し、政局は毎年のように変遷したのである。
そして志士と呼ばれる若き青年たちが国を憂い、国のために立ち上がり、その力が結集された稀有な時代であった。「維新の三傑」と称される西郷隆盛、大久保利通、木戸孝充は1806年(明治1年)にはそれぞれ40歳、38歳、35歳の若さであり、江戸幕府最後の将軍、徳川慶喜は31歳であった。若い力が日本を変え、維新以降の日本の近代化の原動力となったのであった。
しかし、一方では「天誅」と称されるテロが頻発し、多くの人が殺傷された時代でもある。坂本竜馬や中岡慎太郎といった著名な人物をはじめ幕府関係者、志士、外国人など自分の主義主張と相いれないという理由で殺され、傷付けられていった時代でもある。
「幕末」とう時代は、日本が近代化への道を進むための生みの苦しみの時代ともいえるのである。
この時代には多くのドラマが存在し、現代のわれわれをいまだに引きつけてやまないのであろう。
本書では、幕末という時代を丸ごと、文章と図解によって跡付けようとするものである。
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