近年、「新たな国民病」ともいわれ注目されている慢性腎臓病(CKD)。国内の患者数は約2000万人、成人の5人に1人が罹患していると推計されており、決して特別な病気ではありません。その上、CKDは初期には自覚症状がほとんどないため、健康診断で異常を指摘されても放置されがちです。しかし、病気が進行すると腎機能は徐々に低下し、やがて人工透析や腎移植が必要となる末期腎不全へ至ることがあります。現在、日本には約35万人もの透析患者がおり、患者本人だけでなく、家族や社会にも大きな影響を及ぼしています。
一方で、CKDは早期発見・早期治療によって進行を抑えられる可能性が高い病気でもあります。完治が難しい病気ではあるものの、適切な治療や生活改善を続けることで、腎機能の低下をゆるやかにし、末期腎不全を防げるケースも少なくありません。そのためには、「腎臓病を正しく知ること」が何より重要です。
本書では、腎臓の基本的な働きから、CKDの原因となる糖尿病、高血圧、IgA腎症などの代表的な病気、検査でわかること、最新の治療法までを、専門知識がない人にも理解できるよう、図表やイラストを豊富に用いてやさしく解説しています。また、腎機能の低下をなるべく遅らせながら日常を送るための、生活・食事・運動の方法を紹介し、なかでも食事療法について詳しく解説しています。腎臓病では病気の進行度によって、たんぱく質、カリウム、リン、塩分などの摂取制限が必要になる場合がありますが、本書では、食事療法の基本的な考え方から、日常生活で実践しやすい工夫、忙しい人でもできる食事療法の工夫などを具体的に説明しています。
さらに、病気が進行して慢性腎不全に至った際の治療法や透析治療中の旅行や災害への備えなどのポイントも幅広く掲載。患者さん本人はもちろん、家族や医療従事者にとっても役立つ一冊です。
「『腎機能が低下しています』と言われた」「健康診断で尿たんぱくを指摘された」「透析はできるだけ避けたい」――そんな人にこそ読んでほしい、腎臓を守るための実践ガイドです。