チャプレンとして病院に勤務する牧師が、病棟で出会い、寄り添った人たちの忘れがたい言葉やまなざし。それらは今も心の中で響き、生き続けている。一人ひとりとのかかわりの中で永遠のいのちを見つめる希望の書。
著者、大野高志師は日本基督教団牧師、独ケルン・ボン日本語キリスト教会牧師を経て、臨床スピリチュアルケア師、臨床傾聴士として、2007年から現在まで、横須賀市にある衣笠病院グループチャプレン室長を務める。緩和ケア病棟や特別養護老人ホームを巡回し、患者に寄り添い、傾聴を続けてきた。著者にとっての病棟は、ベッドのかたわらに寄り添った数多くの人々(多くはすでに世を去った方々)やそのご家族らとの忘れがたい思い出が積み重なっていく空間でもある。そこでの牧師自身の学び、気づきや、受け入れられること、通じ合うことの喜びは、言葉を交わすこともできなかった多くのつらい思い出や悲しい別れの記憶とともに、今も心の中で息づいている。つらい病の向こう側にある、かかわりあいの記憶の中で生き続ける数々の言葉は、読む者を永遠のいのちの世界へと導いてくれるであろう。医療・介護、または宗教関係者だけでなく、誰しもがいずれ向き合う大切な人々との別れの時のために、一人でも多くの方々に届けたい一冊である。