長年フランスに住み、キリスト教関係の著作が多数ある竹下節子氏による珠玉のエッセイ集。新型コロナウイルス感染拡大、ロシアによるウクライナ侵攻、地球規模の気候不順による災害などに見舞われた2021~2024年に書き続けられたものに、新たな書き下ろしを加え1冊にまとめました。この世の不条理を考えれば考えるほど、キリスト教の本質を考えるようになったという著者。ギリシア・ローマ世界とユダヤ・キリスト教世界との出会いによって生まれたカトリコス(普遍)こそが争いのないグローバル世界をめざす力を与えてくれると言います。著者はさまざまな興味深いトピックをおりまぜながら、聖霊にインスパイアされながら、深い洞察を加えています。カトリック文化が深く根付いているフランスと、人口の約0.35%しかいない日本のカトリックの比較文化的考察を通して、イエスの言葉の本質に迫り、日本におけるキリスト教の歩みと未来について、多くの洞察を与えてくれます。また、著者の個人的な出会いや体験に基づく、温かい語り口に引き込まれて読み進めていくうちに、信仰の旅路を著者が旅先案内人のように導いてくれます。本書の読書体験はそのまま、上質な日仏の比較文化体験となり、よいカトリック入門となっていきます。