はじめに―記憶は存在する
第一部 復興のための記憶論
1 東日本大震災後の記憶論
東日本大震災と死者
〈かつてあったもの〉と〈アーカイブ〉的復興
〈かつてあったもの〉を伝承する
本書の構成
2 記憶論再考
記憶論の穴―写真における〈かつてあったもの〉
ロラン・バルトの写真論―物語以前の存在について
記憶の回顧主義から視座としての記憶論へ―「登場人物」としての記憶
記憶の固定主義から他者としての記憶論へ―死者としての記憶
記憶の言語中心主義から身体の記憶論へ―身構えとしての記憶
方法―語られないものを聞く
3 〈不在〉の写真
インタビュー1 荒浜のバス停の写真と石巻のメイン通りの写真
インタビュー2 いまはなき志津川駅の「跡地」の写真
〈不在〉の写真を見る/撮る
コラム 写真を洗う指
第二部 〈かつてあったもの〉の復興
4 第二の喪失―視座としての記憶論
写真をめぐる想起と想起の失敗
「第二の喪失」
第二の喪失からの恢復
コラム くろじいとの約束、そして物語について
5 死者とともに語る―他者としての記憶論
復興過程で取り残された者
犠牲のシステム
「死者について語ること」に潜む権力構造
エスノグラフィー― 痕跡の消えた被災地から
東日本大震災後の幽霊譚
死者とともに語る
コラム 「被災者の言葉を奪った」とはどういうことか―小説『美しい顔』をめぐる論争から
6 「語りえないこと」の恢復―身体の記憶論
スナップ写真の「語りえなさ」
復興の現場における「語りえないもの」
語りにならなかった事例
「秘密」というコミュニケーション
7 めざすとすごす―写真を返す活動の二つの目標
支援の終わりという問題
支援者の想い
「めざす」と「すごす」の構造的相違
想起と復興
8 想起するという復興
記憶と存在
約束と〈再会〉
想起から〈再演〉へ―復興のアクションリサーチに向けて
あとがき
初出一覧
参考文献
索 引