はじめに
長々しいプロローグ —「孤独死」と我が小史 —
ある出稼ぎ者の孤独死 — はるかな〝シマ〟/交差する「1954」/カツオ漁と出稼ぎ — 黒潮が運んだもの/見過ごされた出稼ぎ史
第1章 売られゆく貧者の群れ
「からゆきさん」と「ヨーロン人」/与論島からの集団移住
第2章 〝砂糖地獄〟の連鎖
「ガーシヌ世」/明治維新とヤンチュの行方
第3章 近代のとば口で
慢性的な貧窮/〝出稼ぎ世〟の序章/惰眠観と農民の屍
第4章 近代の犠牲 — 女工の悲劇
産業革命と女工/「女工哀史」を追う/塀を越えた向こう/南島からの女工
第5章 大正・昭和の大流出
白いご飯と娘売り
第6章 阪神と奄美人
ストライキの波/南島人たちの移住地/大阪湾一帯の奄美人
第7章 海外移民と犠牲
海外への脱出/ 悲惨な結末 — テニアンから長崎被曝まで
第8章 戦後を生きる
焦土のなかから/密航者たち — 朝潮太郎は力道山だった/基地オキナワへ
第9章 現代の都市と奄美人
周回遅れの戦後へ/今を生きる出稼ぎ群像
第10章 「出稼ぎ世」からの問い/連鎖する貧困/「差別」を問う/南洋群島(諸島)/ 新時代への旅立ち
おわりに
海風社 南島叢書100『南島ボートピープル』対談 奄美近代「流民化」のインパクトと国際化時代