内科医のための訴訟事例から学ぶ日常診療のクリティカルポイント 入院・医療従事者の健康管理編

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序 文
 医療には,さまざまな場面がある.昨年,著者らは主に外来の場面を舞台に訴訟事例を題材にした『内科医のための訴訟事例から学ぶ日常診療のクリティカルポイント外来・刑事責任編』を上梓し,今回はその続編として本書『入院・医療従事者の健康管理編』をまとめた.
 外来診療同様,入院診療にもさまざまなピットフォールがある.医療は常にリスクと向き合っている.どの医療従事者もリスクに考慮して,日々の診療の中で対処している.しかし,思わぬところに大きなリスクが潜むことがある.本書では,さまざまな場面で生じた事例について詳しく解説している.過去の経験を共有することは,大きな意味がある.本書は,あくまでも医師の立場からそれらのピットフォールについて検討したものであり,その内容は日々の診療の役に立つものと考えている.
 また,後半は,医療従事者の健康管理についても取り上げた.医師や看護師不足を背景に,医療従事者を取り巻く労働環境は過酷になっており,社会問題化している.医師の過労死・過労自殺が関係した訴訟事例は,その現状を,厳しく指し示し,医療従事者の健康管理の重要性は益々高まっている.
 本書の主たる著者である日山亨医師は臨床医であり,同時に健康管理医でもある.また,日山恵美氏は法律を専門とする者である.本書はこのような著者らの協同作業として,よりよき医療とその体制を願い,まとめられている.本書がその一助になれば幸いである.

 2011年3月
 広島大学保健管理センター
 センター長 吉原 正治
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