「この中には漁師の声がいっぱい詰まっている。おまえには、ペンがあるだろう」。今はなき漁業組合長から託された二十数冊の手書きメモ。そこに記されていたのは……。静かな寒村に突然現れたマンモス企業、〈化け物〉と呼ばれた巨大タンカーの正体、高騰する土地に群がるブローカーと権力者、漁民を狂わせた補償金ブーム、小さな喫茶店にまで飛び交う札束歴史の闇に眠っていた克明な記録をもとに、衝撃の東京湾開発史が暴かれる。
鎌田慧氏推薦!!
〈山本周五郎の海はこうして略奪された──。石油コンビナートとディズニーランド。巨大資本による東京湾開発は、零細漁民の生活を押し潰して建設された。それは山本周五郎の世界が、大物政治家と右翼暴力団に乗っ取られる瞬間でもあった。大製鉄所、国際空港、ゴルフ場。これらの乱開発によって、千葉県は「金権政治」の代名詞となった。その「腐食の構造」が、これほど大胆かつ詳細に描かれたことはない。〉