自動車アフターマーケットに関わるすべての人へ――「経営戦略データ2025」は、せいび広報社が毎年刊行している業界データ年鑑の最新版である。本書は、全国の整備事業者・部品商・リース会社・保険関係者など、幅広い関係者が経営判断や市場分析に役立てられるよう、2024年度の実績をもとに最新の自動車業界動向を網羅的にまとめた一冊だ。
巻頭特集では「第38回オートサービスショー2025」を取り上げ、最新の整備機器やDX化の潮流、出展各社の動向をレポート。続く「2024年度の主な出来事」では、法改正や車検制度、整備事業者の経営環境など業界を揺るがしたトピックを時系列で整理している。また、「これだけは知っておきたい!自動車業界の数字」では、自動車保有・販売・整備・リサイクルといった基幹データを一目で把握できるよう構成されており、業界の現状を俯瞰するのに最適だ。
本書は11章構成。第1章から第4章では、自動車の「ストック」と「フロー」を統計的に整理。運輸支局別の継続検査台数、ユーザー車検の伸び率、メーカー別の生産・販売台数、人気車種ランキングなど、地域別・年次別の推移を可視化している。特に電動車関連データ(ハイブリッド車・EVの保有台数)を新たに拡充し、次世代車市場の変化を的確に捉えている点が特徴だ。
第5章「自動車ユーザーの使用状況」では、保有車の高齢化傾向やカーシェアリング・リース利用の増加、事故や盗難、免許人口の推移など、生活とモビリティの関係を多角的に分析。第6章「メンテナンスマーケット」では、アフターマーケットの市場規模、部品出荷額、保険・ロードサービスの動向を収録し、整備需要の変化を数字で把握できる。
さらに、第7章・第9章では整備事業者・特定整備事業の経営実態を深堀り。業態別売上高や工場数の推移、平均単価動向など、経営分析に直結するデータを豊富に掲載している。第10章の部品商アンケートは、現場の声を反映した貴重な資料であり、仕入れ・販売・顧客対応など今後の戦略立案に示唆を与える内容となっている。
最終章では全国市区郡別の人口・自動車台数・整備工場数を一覧化。地域密着型経営の指針としても活用できる構成となっている。
「経営戦略データ2025」は、単なる統計集ではなく、アフターマーケットの“いま”を多面的に映し出す実務資料集である。業界の現状を数字で読み解き、次の一手を考えるすべての経営者・企画担当者にとって必携の一冊だ。