戒厳令のもと、自警団の日本人によって数千人の朝鮮人が虐殺されたが、唯一人名前・年齢がわかっており、墓もある青年とは…。
まえがき「作者のことば」より抜粋
・この物語は、 1923年の関東大震災当時、朝鮮人青年「具學永(ク・ハギョン)」が虐殺された事件について書いたものです。
・ク・ハギョンはいまも埼玉の正樹院に埋葬されていて墓碑が建てられています。この墓碑には虐殺された六千余の在日朝鮮人の中で唯一、名前と故郷の住所、死亡した当時の年齢が刻まれており、当時の真実を物語っています。
・私は埼玉でのク・ハギョン虐殺事件を初めて聞いて以来、継続して聞き取り調査をして資料を収集し、関連書籍を参考にして事実に基づいて創作した物語を書くことになりました。
・可能な限り事実に基づいて書き、ク・ハギョンの朝鮮での生活については、当時朝鮮から日本に渡って行くことになった一般的な在日朝鮮人の話を取り入れて書きました。そうすることで事実が飛躍したり無理な展開になったりしないように努力しました。