著者の釧路労災病院20年の軌跡から,脊椎脊髄手術の極意を学べ!!
「患者さんにとって侵襲の少ない手術法とは何なのか」という思いから、著者井須豊彦の患者さん本位の手術の追求が始まった。北海道大学から釧路労災病院に赴任した翌年には、どこよりも早く脊椎手術に、手術椎間レベルの上下より採取した椎体を移植骨として利用するWilliams-Isu法を採用した。この手術法は、腸骨採取に伴う痛みや合併症を避けることができる画期的な手術法で、多くの患者さんに術後の満足感を与えている。その後、硬膜外層のみの切除によるFMD、生体内分解吸収性スクリューの採用など、低侵襲手術法の開発を常に行ってきている。
本書の特筆すべき点は、術前の体位、皮切、筋肉や筋膜の剥離法などが椎体レベル別に合併症を起こさない工夫が詳細に記載されていることである。経験の浅い医師にとっては、“見取り稽古”で済ますところを丁寧にかつ親切に教授してくれる。また、わかりやすく、美しい手術シェーマ160点、カラー写真161 点、白黒写真278点、付録の50分に及ぶDVDは、脊椎脊髄手術手技をより深く理解するうえで非常に役立つものとなっている。
脊椎脊髄外科を志す若い医師には、本書の底流となっている患者さんを良くする手術の本質を読み取ってほしい、著者20年の脊椎脊髄手術の集大成である。