高次脳機能障害のグループ訓練の本邦初の実践マニュアル!
集団の中でさまざまな活動を行うグループ訓練は、参加者に安らぎや居場所を提供する、他者との相互作用(共感、他者および自己受容、普遍化、現実検討、競合、一人では得られない気づき)を引き起こす、生活のリズムを整えながら対人交流を改善させる、物事に取り組む意欲、集中力、持続力を引き出す、といった効果があることがいわれており、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などへの直接的訓練として、また高次脳機能障害に伴うコミュニケーション障害の治療訓練として、個別療法と合わせて、集団を用いることの治療効果は大きい。
本書では、集団による治療効果を最大限に用いながら、回復に合わせて経時的に、段階的に治療標的を変えていく効果的な訓練(第一段階は発症から早い時期に行う領域特異的な機能への直接的訓練、第二段階は異なるモジュールへの認知的プロセス訓練、第三段階は代償手段を活用する代償訓練、第四段階は適応行動を増加させる、不適応行動を予防し減少させる訓練)の実践について、方法論から訓練の実際までを、わかりやすく、具体的に紹介している。
また認知行動療法的アプローチ、解決志向的アプローチ、精神療法的アプローチを紹介しながら、障害の認知とともに起こりやすい抑うつ状態や無意欲に対するグループカウンセリング、障害理解や介護による精神的疲労へのケアを目的とした家族教室までも網羅されているのも特徴である。
明日からの臨床の現場で活かしていただくために、高次脳機能障害に関わるOT,ST,心理士,看護スタッフの方に、また「グループ訓練をやってみたい」と思っている初心者の方にも、ぜひお勧めしたい1冊である。