STのための重度失語症のバイブル登場
重度失語症は、失語症状が重度のうえ、失語症以外の高次脳機能障害を合併することもしばしばあり、言語機能の良好な改善を期待することは困難である。また、その障害ゆえに当事者は、精神的に孤立感に陥ったり、生きがいを見つけにくくなったり、生活の自立が難しくなるなど、さまざまな心理社会的問題を抱えていることが多く、家族も当事者と同様に不安な気持ちでいる。
このような多くの問題をもつ重度失語症のリハビリテーションはSTにとっては大変難しい課題であるが、当事者や家族とともに、その失語症者に即した対応策を模索していく過程は、やりがいのある、興味深い作業である。
本書では、重度失語症者と家族の支援からはじまり、重度失語症者の観察のポイントと精査、急性期・回復期・生活適応期各期における重度失語症の臨床、評価と訓練、さらにグループ訓練の意義と役割、コミュニケーションのための補助手段などを14人の失語症専門家が詳細に論述する。STにとって重度失語症のバイブルとなる書である。