日本語版への序文
序 論
西欧における仏教の浸透/断続的な「出会い」の歴史/「解釈された仏教」と「本当の仏教/仏教の成功と西洋の三大「抑圧」
第Ⅰ部 幻想の誕生—古代、中世、ルネサンス、前近代—
第一章 仏教はギリシャとインドをつないだか
直接の影響か、たんなる相似か/海を渡って扶桑の国へ/古代人の幻想のインド
第二章 中世の旅行者たち
マルコ・ポーロが伝えたブッダの伝記/キリスト教版ブッダ伝/福音の理想としての仏教僧院
第三章 中世のチベット神話
神秘、黄金、性的自由
第四章 宣教師たちによる発見 十六世紀から十八世紀まで
「神なき宗教」の繊細さ/宗教論争に仏教を利用する
第五章 「ラマ教」の幻惑 一六二〇年から一八五〇年まで
「黄色い教会」/ユック神父の旅行記
第Ⅱ部 仏教の発見 一七八〇年から一八七五年まで
第一章 「東洋ルネサンス」
『アヴェスタ』と『バガヴァッド・ギーター』の翻訳/ロマン主義者のインド/ヒンドゥー教を通して見た仏教/学問的研究の進展
第二章 キリスト教の強敵
仏教とキリスト教の驚くべき相似/「近代的」仏教と「教条的」キリスト教
第三章 ショーペンハウアーと「仏教厭世主義」
『意志と表象としての世界』をめぐって/ショーペンハウアーは仏教哲学者か/「仏教厭世主義」という誤解
第四章 ニーチェと「仏教虚無主義」
キリスト教に対抗する盟友/仏教との決別