統合失調症者の陰性症状に効果のあるグループミーティングをし、多くのメンバーを社会復帰に導いている精神保健福祉士による、刺激的な統合失調症への非薬 物療法的アプローチのすすめです。もちろん、生物学的治療をまったく無視するわけではないですが、社会・心理療法を並行すれば、より実際的な「治癒」が進 むはずです。本書では、その理念と理論と実際のところを詳述しました。
統合失調症では一生薬物を飲み続ける必要があるとされますが、H・S・サリバンの時代には、エビデンスのある精神病薬もないのに、初発の緊張性統合失調症 において67割におよぶ治癒率を達成しています。なぜか?──というところから、本書のアイデアは始まっており、さまざまな治療の歴史を振り返りつつ、 人と人がかかわるという単純な社会・心理的アプローチでどれだけの治癒ができるのかということを模索しています。
本書には、デイケアを運営する精神科医やPSW、心理療法家の方々にとって、とても強烈なメッセージが詰まっており、統合失調症を援助する方たちの必読書と言えるものです。臨床や人間の可能性を信じている方にはぜひ読んでほしい一冊です。