書は、平成26年改正「不動産鑑定評価基準」に対応し、不動産の鑑定評価に関する理論と実務を両面から体系的に解説した実務家必携の一冊である。
不動産鑑定評価規準は、鑑定士が実務を行う上での「理論的支柱」であり、単なる評価手順書ではない。
したがって本書の目的は基準を暗記するためでなく、実務を通して検証し理論的根拠を持って説明できる力を養うことを重視した。
本書の特徴は、1.基準の配列に沿って逐条的に解説し使いやすくしたこと。2.不動産の鑑定評価は理論と実務が両輪をなしているため、解説部分はすべて理論面と実務面と両面で取り上げ、相互の関連が具体的に理解できるようにしたこと。3.基準のなかで理論的色彩の強い個所(価格原則、試算価格の調整等)も、実務との関係を意識していること。4.各論は実務的な色彩が強いため、解説も実務に沿った内容にしたこと。5.基準の改正の経緯および要点を明らかにしたこと。6.不動産鑑定士以外の方々も理解して頂けるよう配慮したこと。
今後も都度基準の改正が行われるだろうが、鑑定評価の本質を見失わずに実務を深めるための指針として、不動産鑑定士のみならず、弁護士・税理士・不動産専門職など、評価実務に携わるあらゆる専門家にとって、理論と現場を結ぶ最良の手引書となれば幸いである。