第Ⅰ章 血族を離れ、歴史に帰る――軍人の子の〈逃走〉
1 血族
2 「民主化時代」の学習院
3 大学入学――〈父の圏域〉との緊張
第Ⅱ章 1960年前後――「遅れてきた青年」の駆け足
1 ノンポリ演劇青年
2 遅ればせの学生運動と劇研
3 残留か就職か
第Ⅲ章 異界との遭遇――一粒の麦の落ち行く先
1 東映京都撮影所への配属
2 演出助手の視野で見た撮影所
3 組合専従――ストライキ
第Ⅳ章 東へ還る――「フリーランス」の〈地獄〉で
1 夢破れる
2 忸怩たる撤退
3 時代の〈蚊帳の外〉から
第Ⅴ章 1968年 〈想像力革命〉の渦中で
1 60年代――〈世界〉と〈自分〉のはざま
2 芸術の変動と様々な歴史修正主義
3 新劇の地滑りと自作の上演
第Ⅵ章 交錯する騒乱のなかで――〈ものを書く〉ことのほうへ
1 六八年の騒乱
2 時代の掌の上で
3 党派と無党派
第Ⅶ章 〈持たざる者の演劇〉のほうへ――俳優座〈造反〉のあとに
1 冷えてゆく社会
2 『はんらん狂騒曲』の上演
3 「不連続線」結成と同人誌『反白書』
第Ⅷ章 振り向けばだんだんひとり――ポスト・フェストゥムを生き延びる
1 『映画批評』・日本赤軍・連合赤軍事件
2 祭りの後の祭りへ
3 編集者との出会いの諸相
第Ⅸ章 糧道としての映像産業と文筆業・ATG
1 映像産業の渡り職人
2 文筆業の世界への〈参入〉
3 映画『北村透谷』とその周縁
第Ⅹ章 負の画期 1980年代
1 反核運動・「協商懇」
2 PARCで出会ったことなど
第Ⅺ章 ふたつの〈天皇代替わり〉――平癒祈願の戒厳令と護憲天皇生前葬
1 戦後世界と象徴天皇
2 象徴天皇制――〈鎧〉の露顕
3 代替わり戒厳体制に抗す
4 30年後の視野から
第Ⅻ章 予備校という〈梁山泊〉――競争の場の祝祭
1 予備校に駆け込む
2 擬似的祝祭空間
3 縮む市場・変わる雲行き
第ⅩⅢ章 「反革命」の勝利――再び演劇に触れ直す
1 ベルリンの壁崩壊以後
2 少しだけ再び演劇のほうへ
3 再び〈ものを書く〉というトポスへ
第ⅩⅣ章 3.11の切断とその後
1 『変革のアソシエ』、ルネサンス研究所
2 物書き、再びの……
3 演劇、映画、「大学改革」との確執
あとがき
主要人名録
年譜