本書は、カリスマ院長一人に依存する「家業」から、スタッフが定着し共に輝く「チーム業」へと歯科医院を再生させるための実践的な一冊です。
著者は、千葉県で「天才肌」の夫と共に医院を営む実務家。圧倒的な技術を持つ一方で組織を置き去りにしがちな院長を支え、現場を整えてきたナンバー2の視点から、現代の歯科経営に欠かせない組織論を説いています。
かつての昭和的な「俺についてこい」というスタイルでは、今の若いスタッフは育たず、離職や採用難によって院長が孤独に陥る「ゾンビ化」を招いてしまいます。そこで著者が指針としたのは、意外にも『成功者の告白』や『天才を殺す凡人』といった「ビジネス書の名著」たちでした。
名著の知恵を歯科経営の現場に落とし込み、汗と涙を流しながら繰り返してきた「実験と修正」の記録です。スタッフへの承認や共感を通じて安心感を育む「お母さん力」や、夫婦が強みを補い合う「共業(きょうぎょう)」といった考え方は、給与などの条件面だけでは解決できない人間関係の悩みに鮮やかな解法を提示します。
「必要なのはスーパーマンのような院長ではなく、弱さを認め合い補い合えるチーム」。スタッフマネジメントに悩み、孤独を感じている院長先生やそのパートナーにとって、本書は明日から医院の空気を変えるための確かな羅針盤となるはずです。