省エネモータの原理と設計法[改訂版]

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改訂版への序文




2013 年7 月に刊行した 「省エネモータの原理と設計法」 は、省エネ・高効率モータの代表である永久磁石同期モータ( PMSM) について、基礎事項を丁寧に説明するとともに実際に現場で使えることを意識して
PMSM の設計法と制御法を記述したものである。

発刊から10 年余りが経過し、その間にもPMSM は進化し続けて、適用分野を拡大しながらますます発展している。特に電動車駆動用モータにおける高出力密度化や高効率化は著しい。そこで、ここ10 年のPMSMの進化を踏まえて、新たな項目や説明を追加するとともに修正が必要な箇所を修正して、改訂した。

具体的な追記修正事項は、以下のとおりである。




・ 第2章「PMSMの数学モデル」において、磁気飽和がモータパラメータ、特にインダクタンスに及ぼす影響と磁気飽和を考慮したモデリングについて説明を追加した。


・ 第3章「電流ベクトル制御法」においては、高効率運転範囲の拡大および低速大トルク・高速高出力運転を実現するために活発に研究されている定数可変モータについて、考え方と各種手法の概要を追加した。


・ 第4章「PMSMのドライブシステム」の「モータ定数の測定法」において、磁気飽和が著しいPMSMで生じるインダクタンスのクロスサチュレーション (クロスカップリング) や磁気飽和時の永久磁石磁束のモデリング法に関する説明と実機の測定結果を追加した。


・ 第5章「PMSM設計の基礎」の「実際の固定子巻線構造」において、平角銅線を含めて銅線に関する説明を追加した。


・ 第6章「PMSMの解析法」の「パーミアンス法」において、カーター係数についての説明を追加し、「基本特性算出法」において、マグネットトルクとリラクタンストルクの分離についての説明を追加した。


・ 第7章「PMSMの設計法」において、新たに第8節「高効率化・小型化設計」を追加して、電動車駆動用モータの高効率化設計・小型化設計・機械強度向上設計さらに耐減磁設計について設計の考え方と特性への影響に関する説明を追加した。


・数式中の符号など誤記の修正をおこなった。


今回の改訂に際しても、科学情報出版㈱編集部のご尽力を賜りました。深く感謝する次第です。
目次
【目次】


まえがき


第1章 PMSMの基礎知識

1.はじめに

2.永久磁石同期モータの概要

2−1 モータの分類と特徴

2−2 代表的なモータの特性比較

3.固定子の基本構造と回転磁界

4.回転子の基本構造と突極性

5.トルク発生原理


第2章 PMSMの数学モデル

1.はじめに

2.座標変換の基礎

2−1 座標変換とは

2−2 座標変換行列

3.静止座標系のモデル

3−1 三相静止座標系のモデル

3−2 二相静止座標系(α -β 座標系)のモデル

4.d-q 座標系のモデル

5.制御対象としてのPMSMモデル

5−1 電気系モデル

5−2 電気−機械エネルギー変換

5−3 機械系

6.鉄損と磁気飽和を考慮したモデル

6−1 鉄損考慮モデル

6−2 磁気飽和考慮モデル


第3章 電流ベクトル制御法

1.はじめに

2.電流ベクトル平面上の特性曲線

3.電流位相と諸特性

3−1 電流一定時の電流位相制御特性

3−2 トルク一定時の電流位相制御特性

3−3 電流位相制御特性のまとめ

4.電流ベクトル制御法

4−1 最大トルク/電流制御

4−2 最大トルク/磁束制御(最大トルク/誘起電圧制御)

4−3 弱め磁束制御

4−4 最大効率制御

4−5 力率1制御

4−6 電流ベクトルと三相交流電流の関係

5.インバータ容量を考慮した制御法

5−1 電流ベクトルの制約

5−2 電圧・電流制限下での電流ベクトル制御

5−3 電圧・電流制限下での最大出力制御

5−4 速度−トルク特性の概形と定数可変モータ


第4章 PMSMのドライブシステム

1.はじめに

2.基本システム構成

3.電流制御

3−1 非干渉化

3−2 非干渉電流フィードバック制御

3−3 電流制御システム

3−3−1 電流検出と座標変換

3−3−2 電圧指令値の作成

4.トルク・速度・位置の制御

4−1 トルクの制御

4−2 速度・位置の制御

5.電圧の制御

5−1 電圧形PWMインバータ

5−2 電圧利用率を向上する変調方式

5−3 デッドタイムの影響と補償

6.ドライブシステムの全体構成

7.モータ定数の測定法

7−1 電機子抵抗の測定

7−2 永久磁石による電機子鎖交磁束の測定

7−3 d,q 軸インダクタンスの測定

7−3−1 停止状態での測定

7−3−2 実運転状態での測定


第5章 PMSM設計の基礎

1.はじめに

2.永久磁石・電磁鋼板

2−1 永久磁石

2−1−1 希土類磁石とその特徴

2−1−2 フェライト磁石とその特徴

2−2 永久磁石の不可逆減磁

2−2−1 永久磁石の熱減磁

2−2−2 永久磁石の逆磁界による減磁

2−3 電磁鋼板

2−4 モータへの適用時における特有の事項

3.実際の固定子巻線構造

3−1 分布巻方式

3−2 集中巻(短節集中巻)方式

3−3 分数スロット、極数の組み合わせ

4.実際の回転子構造

4−1 永久磁石配置

4−1−1 横埋込形

4−1−2 縦埋込形

4−1−3 V字形

4−2 フラックスバリア

4−3 スキュー


第6章 PMSMの解析法

1.はじめに

2.磁気回路と電磁気学的基本事項

3.パーミアンス法

4.有限要素法

4−1 有限要素法の概要

4−2 ポストプロセスにおける諸量の計算

5.基本特性算出法

6.モータ定数算出法

6−1 d 軸位置と永久磁石の電機子鎖交磁束Ψa

6−2 インダクタンス

7.S-T 特性計算法

7−1 基底速度以下

7−2 基底速度以上(弱め磁束制御)

7−3 基底速度以上(最大トルク/磁束制御)

7−4 鉄損の考慮

7−5 効率の計算


第7章 PMSMの設計法

1.はじめに

2.設計のプロセス

3.設計の具体例1(SPMSMの場合)

3−1 設計仕様

3−2 設計手順

4.設計の具体例2(IPMSMの場合)

4−1 設計仕様

4−2 設計手順

5.回転子構造と特性

5−1 磁石埋込方法

5−2 埋込深さ

5−3 磁石層数

5−4 フラックスバリアの影響

6.脱レアアースモータ設計

7.コギングトルク・トルクリプル低減設計

7−1 フラックスバリア非対称化

7−2 異種ロータ構造の合成

8.高効率化・小型化設計

8−1 磁石配置による高効率化設計

8−2 強磁力磁石適用による高効率化・小型化設計

8−3  高速回転化・高性能磁性材料の適用による

小径化・高効率化設計

8−4 ロータ機械強度向上設計

8−5 保磁力不足磁石適用時の耐減磁設計


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