『恐怖新聞』『うしろの百太郎』『亡霊学級』――日本の恐怖漫画史に不滅の足跡を残した、つのだじろう。しかし、その創作世界は「恐怖・オカルト」だけにとどまらない。
本書は、卒寿と画業70周年を記念して刊行される、つのだじろう初の公式解説本である。「恐怖・オカルト」「格闘・求道」「初期作品」「専門ジャンル」「スポーツ・競技」「ユーモア・ペーソス」「女たち」という七つの世界から、代表作や知られざる作品を豊富な図版とともに紹介する。
『空手バカ一代』『虹をよぶ拳』に描かれた求道の精神、『その他くん』『5五の龍』が若い読者に示した仕事と人生、『おれの太陽』『ライバルの旗』の熱き勝負、『ブラック団』『忍者あわて丸』『泣くな!十円』の笑いと哀感、そして女性たちの愛と情念――。ジャンルを自在に横断しながら、人間の恐怖、欲望、悲しみ、希望を描き続けた異才の全貌が浮かび上がる。
さらに、幻の短編「ガールフレンド」の再録、本人が歯に衣着せぬ筆致で綴った自伝、長男・ビトウゴウによる詳細な作品・関連年表、関係者の証言や貴重なエピソードも収録。長年の読者には懐かしい記憶を呼び覚まし、初めて触れる読者には、つのだ漫画の尽きることのない深さと広さを伝える。
恐怖に震え、闘いに胸を熱くし、笑い、そして泣く。魂を揺さぶり続けた漫画家・つのだじろう、その70年の画業をたどる決定版。