現代社会ではニュースや「終活」場面などで死が日常的に溢れているが、個人が死を「我が事」として捉える機会は少ない。誰もがいつかは死に至るという現実を理解しているものの、日常生活の忙しさや価値観の変化の中で「メメント・モリ(死を想え)」には程遠く、死は多くの人にとって「他人事」として扱われている。
本著では、日本人の死生観の変遷や先行研究、海外事例を踏まえながら、普段は死について考えることのない地域住民が自らの死生観を見つめ直すことができるよう、死について考え語る場をアクションプランの方法で創出することに挑戦した。これまで「死」を「他人事」と捉えていた参加者が次第に死を「我が事」として語り始め、対話によって死生観を明確化していく過程を紹介し、死生観醸成の実践モデルを提示する。