「電信隊の原」と地元で通称される、明治30年代に陸軍が杉並村内で用地取得して設けた細長い演習用地の敷地範囲全貌を、現地写真と古地図を用いて明らかにするとともに、現代に遺る同陸軍用地境界石標の現状を記録した地域史ヴィジュアル資料集。
これは陸軍が明治二十七八年戦役後に新設した「鐵道大隊」のための鉄道教練演習用地がその起源であること、その敷地は明治30年代前半、三次にわたって買収されたものであることなどにも簡単に触れる(根拠資料は別途紹介予定)。
それとともに、同隊揺籃期のことがわかる他館ご所蔵の稀少史料原本、また森泰樹『杉並風土記』中巻に掲げられた地元旧家ご出身の人物による昭和中期の石標調査についての、図版研独自の検証推論も合わせて呈示する。
2022年秋以降の調査研究により見出した、人知れず埋もれていた新発掘情報を活用し、文字による解説の比重を抑え、非文字資料としての図版を多用して視覚に訴える、今までになかった近代中央線沿線近郊(おおよそ新宿〜吉祥寺間)地域史リファレンス資料集叢書第一冊。