人と海とのかかわりはいにしえの時代から始まり、その関係性は濃くて深い。人類にとって、海は食料採取の場であり、海辺は居住や憩いの場であり、さらに河口域や入り江は交易の拠点かつ都市文明形成の場にもなってきた。しかし悠久の時の流れの中で海自体も大きく変貌を遂げるが。人と海との関係性はもっぱら人間側の都合により変わり続けている。様々な資源や機能を有する海をめぐる人間側のニーズが社会経済の発展とともに多様化し、従来の食料資源や航路としての機能、居住やくらしの場としての機能は言うまでもなく、海底資源、エネルギー資源、深層水資源、医薬資源、深海生物資源、タラソテラピー機能、海洋性レクリエーション機能などに熱い視線が注がれている。本書はとくに海をめぐるレジャー的利用の動きに焦点を当て、日中両国における海のレジャー的利用に実態を把握しつつ、その振興策の展開および利用に伴って生起する諸問題を解決するためのフォーマル・インフォーマルな調整や管理の実践的経験を分析してきた。その分析を通して海のレジャー的利用の大きな可能性、そして日中における異同が浮かび上がってきた。