北⽶のマンガ業界から、21世紀で最も成功した⼥性マンガ家のひとりといわれるケイト・ビートン。本書は彼女が大学卒業後すぐ、学⽣ローン返済のためにオイルサンド採掘現場で働いた2年間の記録を、コマ割りのマンガ仕⽴てにした⻑編グラフィックノベルである。
ビートンは自身が体験した、男性優位の社会における⼥性の立場、理想の仕事を得ることの困難さと過酷な作業場で蝕まれる人間の心、環境破壊などの問題を、淡々とかつユーモアを交えて描く。『DUCKS』という書名は、汚染された貯⽔池に⾶来して死んだ⼤量のカモにちなんで名づけられた。それはまるで、⽣活のために厳しい環境で傷つきながらも働く主⼈公と仲間たちが、泥の中でもがいている姿を重ね合わせているかのようだ。
本書はバラク・オバマ元大統領が2022年のお気に入り本に選出。コミックス界のアカデミー賞といわれるアイズナー賞および北⽶で権威があるコミックス賞、グラフィックノベル⽂学賞など多数受賞しているほか、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、タイム誌などでベストブックとして絶賛されている。