「行政福祉」を捉える視点や立場について明らかにしていくためとして、第一は、一地域住民として、です。
私たちは誰もが、その地域に暮らす住民として生き、生活しています。そして必ず、生存権確保のために、各種の行政福祉サービスを利用しています。決して「行政福祉」と無関係ではありません。一地域住民として(一市民として)、「行政福祉」と密接に関わっているのです。つまり、行政福祉サービスの内容や水準、利用手続の方法(アクセスのしやすさ、情報公開等)に意識を向ける必要があるということです。
第二は、一主権者(有権者)として、です。
私たちは、一人ひとりが、国の政治(国政)に対しても地方政治に対しても、その政治のあり方を最終的に決定する力をもつ主権者です。特に18歳以上の者は、直接に政治に参画する(投票する権利を有する)有権者です。生存権のあり方を左右する「行政福祉」に無関心というわけにはいかない憲法的地位・立場にある、といっても過言ではありません。
第三は、地方公務員(国家公務員を含む。)を志望する者の一人として、です。
先にも述べたように、公務員は、権限を行使して-権力をもって-国民(住民)の権利や自由に制限を加えることができる公的組織-私たちの税金で成り立ち運営される存在-の一員であり、その職にあり、その地位にある者なのです。
行政福祉総論を通して、行政や社会福祉、地方自治に関する基本的知識の理解や倫理観を形成し、人権尊重の意識を涵養し、自分ははたして行政職に向いているかどうかの適性を見極めていく契機としていただきたいと考えています。