今日、書店などで手に入る『資本論』解説本には、真剣に学ぶ者にとって、真に参考になるものがなかなか見つかりません。第一部第四部及び草稿やマルクスの「手紙」などをしっかり研究し、また、戦前戦後の幾多の論争や宇野派のマルクス批判なども研究した上で、問題意識を鮮明にした解説本は、残念ながら見つけることが困難です。
というのは、『資本論』は循環的な内容を持っているからで、『資本論』を最後まで読み通さないと第一巻の冒頭の「商品」もまた理解できないからです。まして最近の「脱成長」とか「脱資本主義」を論ずる学者は宇野弘藏の理屈(労働力商品を通じて初めて商品の価値の実体が分かるという明らかに間違ったドグマ)に倣っているからです。その意味でも、真に「労働価値説」に触れることの意義は大きいと言えます。
本書は『資本論』を真剣に学ぼうとする労働者・働く者、学生にとって、皆さんの『資本論』理解の一助になるのは間違いないと信じます。本書では、200カ所にも及ぶ豊富な資料も付いていますので便利です。お勧めです。