現代美術作家の弓指寛治が奥能登国際芸術祭2023で発表した作品群「プレイス・ビヨンド」の記録集。石川県珠洲市にて2023年9月23日~11月12日の間開催された奥能登国際芸術祭2023。弓指寛治は出展作家として、珠洲市木ノ浦にある木ノ浦野営場と岬自然遊歩道にて100枚を超える絵画作品と文字パネルによる野外展示作品「プレイス・ビヨンド」を発表した。「プレイス・ビヨンド」は1922年に珠洲郡西海村に生まれ、満洲へ渡り、戦争を体験し、飛行機乗りとなり特攻隊に配属され、その後生きて珠洲へ帰ってきた南方寳作(なんぽうほうさく)氏の人生を追った作品群である。南方寳作氏が生前に残した自伝『おかげさまで』と、南方氏が参加していた「恵陽開拓団」の記録を元に弓指寛治が再編した戦争体験記を読み進めることで、当時の人々がなぜ開拓団として満洲へ渡ったのか、日中戦争、太平洋戦争とはどのような戦争だったのかを南方寳作氏の視点から追体験することができる。本書はこれらの作品群の記録写真を展示風景と合わせて全て収録し、南方寶作氏のご子息である南方治氏の寄稿文と弓指寛治の制作日記が収録されている。