【臨床雑誌『外科』の特長】
1937年創刊。外科領域の月刊誌では、いちばん長い歴史と伝統を誇る。
毎号特集形式で、外科領域全般にかかわるup to dateなテーマを選び最先端の情報を充実した執筆陣により分かりやすい内容で提供。
一般外科医にとって必要な知識をテーマした連載が3~4篇、また投稿論文も多数掲載し、充実した誌面を構成。
【編集にあたって】
以前は,外科研修を専攻した医師は手術の手ほどきをアッペ,ヘルニア,ヘモで受け,胆囊摘出,エルステマーゲン(はじめての胃切除術),大腸手術と幅広い領域に手を広げていく流れであった.鏡視下手術,ロボット支援下手術が普及している昨今はこの流れと異なり,アッペも交叉切開ではなく初回から腹腔鏡下手術ということも増えてきた.しかし,初期に経験できる手術手技が変化しても,手術経験を積み重ねて習熟していくという過程は昔も今も共通しているかと思う.
一方で,ある程度手技に慣れて,おおよそその手技ができる自信が得られつつある時期に,外科医の意欲を削いでしまうような大きな合併症を経験し,気持ちが挫けて弱気になってしまう症例もあるのではないか.術後合併症だけでなく,術中に想定外の事態となって“ヒヤっとする”シーンもある.そういった時にどのように対応するか.未然にトラブルを回避できるようにするためのポイントがあるのか.本特集号は,多くのトラブルシューティングをエキスパートの先生方の経験をもとにわかりやすくまとめた解説書になっている.
是非知っておきたい要点,実際の手技やその選択背景を含めて,外科研修プログラムで研鑽を積まれている先生だけでなく,多くのベテラン外科医にとっても読みごたえのある一冊になっているかと思う.本特集号が多くの先生方にとって参考となり,ひいては患者へ最適な医療を提供する一助となることを心より願っている.
日本大学消化器外科教授
山下裕玄