■2025参院選 私たちの選択肢
6月22日に通常国会が閉幕した。政治の動きは一気に、7月20日投開票予定の参議院選挙に向かう。自民党・公明党の少数与党転落という新たな政治状況の下で期待された「選択的夫婦別姓制度」や冤罪被害に苦しむ人を救う「再審法改正」は実現せず、その一方で学問の自由を脅かす危険性がある「日本学術会議の法人化」や、政府が通信情報を取得することに対し、憲法が保障する「通信の自由」が侵害されないか懸念される「能動的サイバー防御」が動き出すことになった。世論の声に耳を貸さない与党と、テーマごとに与党と手を組んだ(一部)野党の責任は大きい。政治はいま、本当にやるべきことをやっているのか。社会的弱者の存在は、本当に政治家たちの視野に入っているのか。そして、私たちは、どのような観点から新しい政治への選択肢を選べばよいのか。さまざまな観点から「参院選で問われること」を考える。
●有力になる二つの流れ
危機要因を解消するための責任ある政治を誰が担うか
木下ちがや
安倍晋三政権が作り出した政治枠組みが崩れ、各政党の支持率がめまぐるしく変化している。昨年の衆議院選挙からの動きを分析、今後の流れを展望する。
●遅すぎる「氷河期世代」対策
社会保障制度の抜本的見直しを
雨宮処凛
参院選を前に石破茂政権は、「就職氷河期世代」の支援策を打ち出した。40代から50代前半にあたるこの世代は1700万人とも2000万人とも言われ、有権者の約6 分の1 を占める。「大票田」となるこの世代の課題は多岐にわたる。実情を踏まえ、目先の安易な政策ではなく、長期的な視点で改革を進めていかなければならない。抜本的な社会保障制度の見直しが求められる。
●自民党「2024年衆院選公約」はどうなったのか
実現できたのは二つだけ
佐藤和雄
「公約」とは「おおやけに約束すること。特に選挙のとき、政党・候補者などが人々に政策の実行などを約束すること」(『明鏡国語辞典』)。参院選前にこそ確かめてみたいのは昨年の衆院選での自民党の公約、特に「政治とカネ」に関する約束だ。調べてみると驚くべき現状が明らかになった。
●農政、「小泉狂騒曲」にだまされるな
コメと地域コミュニティーを守る明確なメッセージを
鈴木宣弘
日本の食料自給率は種や肥料の自給率も考慮すると38%どころか最悪10%あるかないか。海外からの物流が停止したら世界で最も餓死者が出るのが日本との試算もある。国際情勢は、お金を出せばいつでも食料が輸入できる時代の終わりを告げている。かたや、日本の農家の平均年齢は69歳。あと10年どころか5年で日本の農業・農村の多くが崩壊しかねない。