リーダーシップについては、1940年代からさまざまな理論が提唱・研究されてきており、看護においてもそれらが広く活用されてきました。近年は、シェアード・リーダーシップの考え方に代表されるように、職位や権限によらず発揮されるものと認識されつつあり、臨床現場においても、管理職に限らず、若手や中堅の看護職を対象としたリーダーシップ研修が増加してきています。しかし、その認識が十分に浸透しているとは言えません。
一方、看護を取り巻く状況は、健康課題の複雑化、人々のニーズの多様化、単身世帯や高齢者のみの世帯の増加、少子高齢化による生産人口の減少などのように大きく変化し、さまざまな課題が山積しています。看護職にも少ない人員でそれらの課題に対応することが求められているのです。そのためには、若手から看護管理者まで一人ひとりの看護職が自身の能力開発や看護の質向上に取り組む必要があります。
そこで注目したいのがリーダーシップ――リーダーシップを開発し、効果的に発揮することで、さまざまな課題解決への道筋が見えてくるのではないでしょうか。
本総特集では、未だ認識が十分ではない“すべての看護職によるリーダーシップの発揮”に向けて、そのヒントとなるよう、さまざまな理論について概説した上で、看護部長や看護師長、主任、スタッフがそれぞれの役割に応じて発揮しているリーダーシップの実際を紹介します。さらに、継続教育や看護基礎教育におけるリーダーシップ開発の必要性やあり方も示します。
本総特集が、リーダーシップの発揮に向けて一歩を踏み出す手助けとなることを願っています。