土木構造物と建築構造物は社会で多くの接点をもっているが,土木構造物の上に建築構造物
が設けられる事例や土木構造物の中に建築構造物が内包された事例など,構造的に一体化さ
れた土木建築複合構造物が設計されている。それらは構造に限らず防災や換気なども含め,
土木設計者と建築設計者の協働により設計され,建築物においては建築基準法に基づき確認
申請などの審査を受け実現されている。関係者も必然的に多くなり,調整が必要な事項も増
えるが,案件ごとに判断がなされ,土木構造物と建築構造物の境界位置の設定やそれぞれで
構造解析を行う場合の反力の伝達などが行われているものと思われる。
そもそも土木構造物と建築構造物は,外力,構造物のモデル化,構造解析を通じて得られる
応力および変形の評価方法が異なり,法規も異なるが,構造安全性や構造使用性を確保する
という共通の目的を双方有している。
このような状況において,本特集では土木建築複合建築物を設計する場合の拠り所になる規
準などの一般的なルール,問題点および解決方法を事例も含め提示したいと考える。守秘義
務などもあり公表に制限がある場合も多いが,事例とそれに通じた一般論の提示により,土
木建築関係者双方の知識の共有と構造体だけでなく,人的な融合が図れることを期待する。