■3.11から15年
福島の「未来」を高市政権は描けるのか
3月11日で東日本大震災から15年がたった。死者・行方不明者2万人以上(震災関連死含む)、約2万6000人がいまだ避難生活を余儀なくされる。高市早苗首相は官邸ホームページで「災害対応の司令塔となる防災庁を今年中に設置」との計画を示すが、政府はこの間どのような「復興」政策を進めてきたのか。今号では地震、津波、原発事故を経験した福島の発災当時と現状、そして高市首相が目論む「未来」を明らかにしたい。
●震災を語る
汚染水放出差し止め訴訟原告の漁師・小野春雄
藍原寛子
震災当時に何が起き、この15年間何が変わったのか。被災した当事者に話を聞いた。
●中間貯蔵施設にいまも住民票を置いたまま……
総務省が「違法」状態を放置
日野行介
「住民票はそのままでいい」。国は東京電力福島第一原子力発電所の周辺住民にそう言って「中間貯蔵施設」の用地取得を進めた。被災者たちは、国“約束”を信じ、先祖伝来の土地を明け渡した。住民基本台帳法は現住所での住民登録を前提としているが、国は必要な法整備をしなかった。他の地域に避難した被災者は意図せず「違法」な状態にいまも置かれたままとなった。原発事故の後始末を巡り、国がついた罪深い「嘘」を調査報道記者の日野行介氏が暴く。
●F-REIとは何か
復興の裏にあるこの国の軍拡
吉田千亜
震災後、「色々な分野の専門家が知恵と技術を集めて、福島を元気にしよう」と福島・浜通りで国家プロジェクトが始まった。2023年にはその司令塔、F - REIが発足。これは真の復興といえるものなのか? 福島を見続けてきた筆者が分析する。
●ある名誉毀損訴訟から、福島原発事故後の社会的対立について考える
まさのあつこ
ある裁判で被告となった当事者が、原告の提訴会見で名誉を毀損されたとして提起した裁判で、控訴審の判決言い渡しが昨年末、東京高裁であった。異例なのは原告と代理人だけでなく、提訴会見を報じたメディアまでが訴えられたことだった。一審でメディアは敗訴、二審でも原判決が維持された。筆者はこの裁判の背景に、東京電力福島第一原発事故後に起きた社会の対立を見る。