■戦禍の地を訪ねて
●パレスチナからの報告 イラン攻撃とイスラエルの野望
蹴散らされ、追い立てられて
小田切拓
米国・イスラエルによるイラン攻撃が始まって間もない3月20日の「トランプ・高市会談」の模様は、中東でも報じられた。それは人々の不評を買うことはあっても好意的に受けとめられることはなかった──。70回以上パレスチナに渡り、イスラエルによる占領を取材してきた筆者がこの2月、周辺国に移り住む旧友を訪ね、定点観測している地に向かった。途中で始まったイラン攻撃の影響は? そして占領の行方は? 数回にわたり報告する。
●全面侵攻から5年目 ウクライナ 心の占領に抗う人々
脱植民地化めざしオデーサでネコ描くストリートアーティスト
先川信一郎
土地の占領は、文化の根絶を伴って完成する。ロシアの全面侵攻が5年目を迎える中、ウクライナが挑んでいるのは自らのアイデンティティをかけた「文化・芸術の防衛戦」だ。戦火が続く中東を想起させるように、失われるのは土地や人命だけではない。記憶や表現そのものである。都市を塗り替えるアーティスト、歴史を刻む陶芸家、美を体現するバレリーナ、そして平和への祈りを紡ぐ歌と言葉。それらは帝国による“心の占領”に抗い、尊厳を守ろうとする不屈の意志の表れだ。破壊の中で人々は何を思い、いかに生きるのか。最前線を歩いたジャーナリストが報告する。