甦るヴァニタス

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甦るヴァニタス
  • 発売日:2026/02/02
  • 出版社:岩波書店
  • ISBN:9784000254786
通常価格 5,500 円(税込)
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  • 発売日:2026/02/02
  • 出版社:岩波書店
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商品説明
髑髏や砂時計、蝋燭や楽器、果物などの定型的モチーフを組み合わせ、生のはかなさと死を表現する――17世紀ヨーロッパでは静物画の一ジャンルである〈ヴァニタス画〉が盛んに制作された。それから数世紀。今もアーティストは〈ヴァニタス」に触発されている。現代に甦った〈ヴァニタス〉を具体例に即して丁寧に読み解く。図版多数。
目次
まえがき 「はかなさ」と現代の芸術――ヴァニタスをめぐる三つの問い
   ……………香川 檀

序 論 現代芸術におけるヴァニタスの回帰――西洋/非西洋、交差するまなざし(抄訳)
   ……………ヴィクトリア・フォン・フレミング(訳 香川檀)
 一、西洋と日本の「はかなさ」
 二、ヴァニタスのセルフポートレイト
 三、グローバル・サウスのヴァニタス
 四、ヨーロッパのヴァニタスと日本の〈はかなさ〉の融合

第Ⅰ部 現代のヴァニタス―生死と時間の戯れ

第1章 杉本博司の死生観とヴァニタスの美学――《ヘンリー八世》をめぐる表象の歴史
   ……………仲間裕子
 はじめに
 一、「ジオラマ」をめぐる死生観
 二、「蝋人形館」から「ポートレート」へ
 三、ヴァニタスの美学と「肖像画」
 四、杉本博司の《ヘンリー八世》とハンス・ホルバイン(子)のヴァニタス表象
 五、「ポートレート」《ヘンリー八世》―仮面と死、永遠性の表象
 結

第2章 草間彌生とヴァニタス―〈花/女性〉と死をめぐって
   ……………石田圭子
 はじめに――草間彌生とヴァニタス
 一、自画像としての花
 二、女性自身のメタファーとしての花
 三、性と死――抑圧の内面化と「自己消滅」
 四、死とはかなさを超えて――女性の〈生/性〉の肯定
 おわりに――「ヴァニタス」というテーマと女性アーティスト

第3章 ジャン・ティンゲリー――ヴァニタス、そしてエフェメラの芸術(抄訳)
   ……………ヴィクトリア・フォン・フレミング(訳 香川 檀)
 一、素材およびメディウムの図像学
 二、エフェメラルなもの――ヴァニタスなきバロック?
 三、生の車輪と死の舞踏
 四、フォーミュラⅠと大量虐殺

第4章 生死のはざまのヘテロ・クロニカルな実験――時間管理に対するヴァニタスの反乱(抄訳)
   ……………ミーケ・バル(訳 岡添瑠子)
 はじめに
 一、マルレーネ・デュマスの頭蓋骨――生者たちの顔
 二、動く静止画――ジャネット・クリステンセンによる時間の断片
 三、ナリニ・マラニ――緊急性としてのヴァニタス
 四、頭蓋骨の内部――マヤ・ワタナベの共感的――政治的な死のヴィジョン

第Ⅱ部 メディウムが担うはかなさ――写真とビデオ

第5章 終わりと飛び去り――髑髏、昆虫、そして現代写真におけるヴァニタスのふたつの時間性
   ……………カタリーナ・ズュコラ(訳 結城 円)
 一、人間のはかなさの記号としての頭蓋骨――その歴史的な(再)コード化
 二、飛び去り/蠅、あるいは生きている存在のはかなさ
 三、一時的な出会い――蠅と頭蓋骨

第6章 畠山直哉の写真における川の表象――〈無常〉をめぐる一考察
   ……………鈴木賢子
 はじめに
 一、気仙川のほとりのクルミの木
 二、うつろう世界と写真が捉えるもの
 三、漂うまなざし
 四、写真と〈無常〉
 結び

第7章 写真の間文化的な時間性――荒木経惟『TOMBEAU TOKYO』におけるヴァニタスと無常
   ……………結城 円
 はじめに
 一、花と女性身体に投影されるヴァニタスと無常
 二、写真メディアにおける時間性
 むすび

第8章 ビデオアートにおけるヴァニタス静物画――バロックのモチーフとその時間性について
   ……………クラウディア・ベンティーン
        ユリア・カテリーネ・ベルガー
        (訳 石田圭子)
 一、静物に生命を吹き込む――暗示から断片化へ
 二、クイックモーション――メディアによって衰退を加速させる
 三、ループの使用――生成と消滅の永遠なる循環
 四、「本当の時間」という感覚――生成されるヴァニタス

第Ⅲ部 ヴァニタスの変奏――神話と社会

第9章 「居場所」のはかなさ――イケムラレイコの描く“妣の国”と死
   ……………香川 檀
 はじめに
 一、少女と「うみのこ」
 二、母のいる風景――「コスミックスケープ」
 三、ヴァニタス・モチーフとしての花・骨・亡骸
 四、妣の国/常世(常夜)の国
 むすびに

第10章 古代の残存と、バロック的時間経験の形象――サイ・トゥオンブリー作品のオルフェウス主題について
   ……………アンネ・オイスターシュルテ(訳 鈴木賢子)
 はじめに
 一、失われた古代?
 二、「うつろい」の文字
 三、オルフェウス
 四、文字の時
 五、オルフェウスのヴェール――不滅の残響

第11章 ゴミの化石を作るとき――三島喜美代の作品における物質と時間性
   ……………マーレン・ゴツィック
 はじめに
 一、ゴミとしての情報
 二、巨大化するゴミ、巨大化するアート
 三、理解不可能となった過去
 四、現代的ヴァニタスとしての三島の作品制作
 おわりに

第12章 はかなさの永遠性?――美術館における「エフェメラル」な作品の保存修復について
   ……………カロリン・ボールマン(訳 仲間裕子)

あとがき……………結城 円
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