• 発売日:2025/08/22
  • 出版社:岩波書店
  • ISBN:9784004320777

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スガモプリズン

スガモプリズン

通常価格 1,034 円(税込)
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  • 発売日:2025/08/22
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商品説明
敗戦直後、GHQ占領下に開所したスガモプリズン。外の世界が大きく移り変わるなか、戦犯たちは獄中で何を思い、何を見つめていたのか。戦争裁判の実態、刑務所管理の構造、戦犯の自治や言論活動、そして朝鮮人・台湾人戦犯の問題。十数年に及ぶスガモ運営の全体像を描き、塀の向こうに置きざりにされた戦争責任を問い直す。
目次
序 章 「大東亜共栄圏」の八・一五
  アジアは東京時間で動いていた
  焼け跡に開いた落下傘の花
  捕虜引揚げの完了
  三木清の獄死
  「自由戦士」、歓迎される
  「敗戦責任」をめぐる政争
  「戦争犯罪人を処罰せよ!」
  勝利者への卑屈な追従か

第一章 スガモプリズンの開所――逮捕と裁判
 1 占領下の追及
  戦犯容疑者の逮捕開始
  「大物」たちの待遇
  東京拘置所からスガモプリズンへ
  逮捕の現場
  恩給などの差止め
 2 極東国際軍事裁判とBC級戦犯裁判
  戦争裁判に向けた機構改革
  東京裁判
  アジア各地のBC級裁判
  横浜法廷
  次々に下る死刑判決
  捕虜虐待への厳罰
  多発した戦争法規違反
  東京裁判の判決
 3 戦犯の仮出所
  減刑と仮出所の取り組み
  遅れた「引揚げ」
  仮出所の開始

第二章 塀の中の「自治」と「自主活動」
 1 スガモの学園と新聞
  重労働にあえぐ戦犯たち
  自主活動と「スガモ学園」開校
  『すがも新聞』の発行
  どこまで書けるのか
 2 主張する戦犯たち
  日本人刑務官の管理へ
  “ノーモア・スガモ”
  タブーに触れる
  「講和」への期待
  初めての抵抗
 3 真の「釈放」とは
  心の糧としての文化活動
  スガモのキリスト者たち
  『信友』の創刊
  釈放をめぐる葛藤や議論
  「虚脱の空気」

第三章 受刑者たちの内なる声
 1 平和条約と主権回復
  調印の日が来た
  「国内法上の刑ではない」
  戦犯家族の援護
  A級戦犯の出所、残されたBC級戦犯
 2 巣鴨が問いかけるもの
  自らの手で解明する
  集められた刑死者の遺書
  『世紀の遺書』の反響
  死の受け止め方
  巣鴨をゆさぶった一つの投稿
  顕在化した思想対立
  スガモ詣で
 3 戦争責任のゆくえ
  戦犯は犠牲者か
  言論による活動
  手記集の出版あいつぐ
  無関心の壁をうち破れ
  「彼ら」の眼を直視する
  呼応する知識人たち
  『私は貝になりたい』の衝撃
  全棟大会の要求
  「鉄鎖の身を平和のために」

第四章 プリズンの「異邦人」――植民地支配と戦争裁判
 1 日本人ではない日本の戦犯
  「大東亜共栄圏」からスガモへ
  捕虜収容所に配置された朝鮮人軍属
  同人誌『郷愁』の刊行
 2 占領下ジャワの朝鮮人軍属
  少年も抑留
  「不純分子」たちの反乱
  ジャワの空に流れる朝鮮語
  裁かれた半数近くが朝鮮人軍属だった
  スガモの中の朝鮮
 3 「釈放」が突きつけるもの
  出るも地獄
  「やっかい」な問題
  弁護士による救済活動
  出所を拒否
  巣鴨刑務所は閉鎖されたが

終 章 巣鴨刑務所の閉鎖――その後に......
  センパンか証人か
  痛恨の念で振り返る過去
  BC級戦犯を描いた二つの演劇
  裁かれた者たちの記憶

  スガモプリズン関連年表
  主な参考資料・文献
  スガモプリズンBC級戦犯刑死者(一覧)
  BC級戦犯全員の起訴事実別件数
  スガモプリズン全図
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